甘やかなる病歴
少しずつ組み上がるパズルのように
嵌め込まれていく その衝動の航海
今になって何を暴くのかと畏れながら
越えてきた傷跡を そっと撫ぜる
その謎が解ける度 つながる 鮮やかな呼吸
どこにも残されていない 画像の奔流に
揺らぐフィラメント 忘却の彼方で
誹謗する
嘘偽りの中にいくつか潜んだ真実を
その情景を素知らぬ振りで焼き付けるfilm
フィクションが
――割れる鏡
その水底に 隠し持った深層のカルテ
読み解いたのは 星の
そっと掬いあげる 誰も知らなかったすべてを
ありきたりの他人行儀で
どこかで 浮かび上がる 優しい余白
綴る 眼差しは見えなくとも
誰かに見つけて欲しいと 願ったすべてを
もう嵐は去ったのだと 滾る哀しみに言い聞かせる
どれほど憎んでも憎みきれないくらい
甘やかなる病歴を 抱きしめる
luca minamoto@Copyright_2013【ポエトリー】
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