クロノスからの贈り物
誰もいない海辺 頬につめたい風
どれほど学習しても おそらくここへ来てしまうのだろう
それは淋しさの報復 あなたはどこにもいない
明日電車に揺られ 波は常に平行線
肯定できるものが あまりに少ない現実
さよならの連続をかさね ついには昇天
どこまでも続く道を歩いていきたくて
また軌道を外れ 空中散歩
ささやかな抵抗
何かを欲することで罪という意味を知る
あきらめればあきらめるほど私をなくす
どうあれば痛みは消えるのか
知らぬほど嘘つきじゃない
知性と感情が葛藤
そして愛は彼方で叫んでる
どれほど心あばれていようと
世界が空虚で満たされていようと
生きている限り そこにあるもの
その呼吸に触れているだけで
本当の自分を保つことができる
どれほど昨日が愚かであろうと
その瞬間が 新たな鼓動をつなぐ
それは美しい奇跡
価値のあるものに涙する幸福
辛苦さえ歓びへ到るプロセス
そして時は...
あなたにはもう届かない岸辺
自由である限り 独りは永遠の甘美
空へ指先をなげて 風の行方を訊く
遠い
そっと耳元で口ずさんで
瞳が微笑みを知る
いつか夢見たように...
どれほど心あばれていようと
世界が空虚で満たされていようと
生きている限り そこにあるもの
その鼓動に触れているだけで
本当の自分を保つことができる
どれほど愚かな願いであろうと
その瞬間が 新たな夜明けをつなぐ
過去と未来をつなぐ
それはクロノスからの贈り物
luca minamoto@Copyright_2015
【ポエトリー~from Ryuichi Sakamoto『Moving on』&『Regret』】
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