第5話 G級vsG級
「ナナセさんナナセさん、おっぱい見せてください!」
「本当にAクラストップになってるのか見せるんだぜー?」
乙奪が終わった、放課後。
Aクラスに戻った私達は、自分らのイスやら机やらに座って感想戦。
再びDクラスのシルヴィーを揉んだことで、私のおっぱいは、Aクラストップになっていた。もうBクラスでよくね?
「見せないからね?
ところで、私はシルヴィーを2回揉んだけど、1回目より2回目の方がおっぱいの変化が少なかったんだよね。これは、揉む相手との差が大きければ変化も大きい、ってことでいいのかな?」
「はい、合ってます。個人差と相性もありますけどね。後は、注目度、なんてものも。
ちなみに、同じ相手を揉むと効果は薄くなっていきますし、1度揉んだ後次に効果を発揮されるのは1週間後です」
それで乙奪は1週間ごとにあるのか。私みたいに、同じ人に連続で当たったら困るもんね。
「ところで、今更なんだけど」
こうして自分のおっぱいが大きくなって思うことがあった。
「乙奪は、CクラスまではFクラスと……格上戦えるからいいけど、Dクラス以上は格下とやるよね。けど、通常時は揉んだりしないんだよね? じゃあ、Dクラス以上はどうやっておっぱい大きくしてるの?」
「それは、乙滅です!」
「おつめつ」
人差し指をビッと立てて、カミノはウィンクした。かわいいなこいつめ。
「乙奪は週1。けど、月1でやる揉み合いがあるんだぜ。それが、おっぱい撃滅戦、略して乙滅なんだぜ!
今日の乙奪の後、来週の揉み合い内容、発表しなかったのはこのためなんだぜ」
スバルも同じポーズをするけど、少年がイタズラっぽく笑ってるようにしか見えんな。っていうか、撃滅て。負けたらおっぱい破裂でもするの?
「なんだか物騒な名前ですが、それほど皆さんが……特にDクラス以上の方々が気合を入れるんです。何せ乙滅は、相手のクラスも相手自身も、全て自由に選択できるんですから! その対戦内容でさえも、双方が了承したものであれば何でもOK!」
「ただし、各クラス代表者しか出られないんだぜ。Aクラスは1名、Bクラスは2名……って具合にな! Aクラスの代表譲りたくないけど、この2回の乙奪の活躍を考えれば……!」
これまでの乙奪は、このためのものってわけね。
下位クラスは自分のおっぱいを大きくしたいから頑張るし、上位クラスも代表者になれるようにがんばる、と。
「ちなみに、乙滅はあのG級も参加してきます! 対戦相手に選ぶことは出来ませんが、G級4名は必ず乙滅に参加し、対戦相手を選んできます。そのG級、案外ナナセさんあたりを指名してくるかもしれませんよ?」
「いやいや、G級が私に勝って揉んでも意味ないっしょ」
けどま、どうも私のことは色んな人に知られたっぽいからね。G級アリシアを揉んだ者! とか、脅威の新人現る! とか、学園新聞に載ってたわ。
「いえいえ、意味はあるんです。乙滅に関しては、大きい方が小さい方を揉んでも、おっぱいは大きくなるんです。そうでなくては、G級トップのアリシア様が何も出来ませんからね」
まじか。なら、例のH級とやらに、宝を集めなくても辿り着くことも可能ってことか。
「そうか! 今のナナセにあたしが勝てば、一気にクラスアップも夢じゃないかもしれないんだぜ!?」
スバルが私を指差す。
さっきカミノが、おっぱいの増減には注目度も影響するって言ってたけど、こういうことか。やばいな、私、何人かから今回の対戦相手にされそうだよ。
「あのシルヴィーとか来たら面倒だなー……もう飽きたし」
「あらぁ? 今や全クラスが注目するナナセ様から私の名前が出るなんてぇ、光栄だわぁ?」
うわやばい、聞かれたかも。
「シルヴィー! 2度も負けたナナセにこの乙滅でまた負けに来るなんて愚かなんだぜ!?」
「もうナナセに興味はないわぁ? 今私が興味があるのはぁ、ナナセの後ろ盾のタマキねぇ」
後ろ盾て、誰がだよ。
あの鉄人のようなタマキ、最初に締め落とされた程度の関係しかないんだけど。まずいなー、さっきの乙奪でタマキが庇ったっぽく見えただろうから、勘違いされてるわ。
「今からあなた方を、これからFクラスで起こる事態に招待するわぁ? 私の姉、キンがG級トップ立ったというパーティのねぇ?」
「はああぁ!?」
スバルが後ろに5mくらい吹っ飛ばんくらい驚いてる。どうも、あのアリシアがG級トップに君臨して長いらしいから、それが変わったとなったら驚きだわね。
「もっともぉ……すでに騒ぎになってて、クラス間の番人も役に立たない程になってるぅ……。また裏切らないで来てくれるわよねぇ? カミノぉ?」
◆
その騒ぎの中心に移動中。
「……」
元気ないなカミノ。シルヴィーの言葉も気になるし、以前スバルが、カミノとシルヴィーはそんな関係じゃなかったと言っていたから、何かあったんだろうね。
「おいスメラギ! 何があったんだぜ!?」
スバルは、先にFクラス前に言って周りの人に話しかけてた。顔が広いなまったく。私はAクラスの人以外ほとんど分からないってのに。カミノも乙奪で知ってはいるけど、話したことはないって。
にしても、ここがFクラスか。廊下の一番先……なんとなく薄暗い。一応窓はあるけど、Aクラスよりも少ない印象かな。教室の作りは同じ。
「き、キンさん! 乙滅でもないのにタマキさんのおっぱいを揉むなど、気でも狂いましたの!?」
「別にぃ? ただねぇ、かわいい妹シルヴィーのお願いでねぇ……」
あのアリシアと相対してるのがキンか。シルヴィーとしゃべり方同じだし、見た目がNo.1キャバ嬢って感じかもし出しすぎ。露出度高いドレスを着たらドンペリ1本いただきましたー状態だわ。
って……タマキのおっぱい、G80だったのにF80に落ちてる……。アリシアのおっぱいは変化なし。でも、G90のアリシアに対して、キンはG95……確かにG級トップが代わってる。
「ナナセ、カミノ。どうも、乙奪から戻ったタマキがクラスに入った瞬間、脇から飛び出てきたキン他数名に揉まれたんだそうだぜ。卑怯くせーぜ」
結構な正攻法だと思うけど、やっぱり乙奪乙滅で勝つのがこの世界の掟なのか。本当、私が初っ端アリシア揉んだのに、よく普通に生活出来てるもんだよ。袋叩きで干されてもおかしくなかったわ。
「……不覚だ。アリシアと同じ轍を踏んだ」
アリシアと同じ轍……それ私のあれじゃん。
シルヴィーが言ってた、『タマキが私の後ろ盾』……この勘違いを考えると、この事態の原因は私なんだよねー厄介。タマキと私が何の関係もないってことをとりあえず証明できればいいけど……。
「私もアリシアも、長くG級にいたせいであまりに慢心していたようだ。以前だったら、容易にかわせたのに、環境に甘んじてしまった」
「そ、そこは一緒にしないでいただきたいですわね。突然現れたAクラスの子、その驚きと心配の中、警戒することなんて出来ませんでしたわ」
金髪縦ロールのアリシア、プライド高そうだもんね。腕を組んでそっぽ向いて、そういうのツンデレ系女子がよくやりそうだよね。見た目もそうだし。
「同じこと。所詮私達はまだまだだ」
「言いますわね。それじゃあ、この場はあなた1人でなんとかすることですわね!」
タマキとアリシア、仲が良いって聞いてたけど……事態が事態ってことかね。
しっかし、アリシアの取り巻きすごいな。同じFクラスにもいるなんて。去っていくアリシアについて行くおっぱい多すぎ。
「さて、キン。覚悟は出来ているんだろうな? 私はG級2位、お前は3位だった。おっぱいが大きい者に歯向かうなど……」
「それは数分前までの話でしょぉ? それを言うならぁ、今のあなたはG級ですらないにのG級トップの私に歯向かってるわぁ?」
「その通りだな……が。私はG級は長い。なぜそれを保つことが出来たのか……」
やるのかな? G級の実力って奴が見られるのかもね。今の所私の印象は、とにかくおっぱいでかいにっくき相手、だし。もし私の思っているとおりだとすれば、2人の行動の意味は分かるけど。だけど、こんな時間帯にやっても……。
「その証拠を見せよう!」
「あらぁ……?」
タマキの声とともに、全ての電気が落ちた。いや、全ての光が落ちた、って言う方が正しいのかな……? 何、これは。
「ひゃあ!?」
「何ぃ!?」
タマキを揉んだと思われる、キンを始めとした数名のFクラスメンバー。次の瞬間には悲鳴をあげておっぱいを抱えてた。光、戻ったみたいだ。
……! タマキのおっぱい、G80に戻ってる……!? タマキがキンらを揉んだのは思ったとおりだけど、そのおっぱい増加量は……。
「さすがはタマキさんですわね、一瞬でケリがついたのですね」
「すまなかったな、アリシア」
この2人、やっぱりそうだったんだね。
タマキとアリシアが喧嘩したフリをしたのはこのため。アリシアは教室から出る口実が欲しかった、ってことだ。私達Aクラスは、学園での行動はかなり制限される。Bクラス、Cクラスと上がればその制限は少なくなって、Fクラスは何処でもいけるみたいなんだよね。
アリシアが向かったのは電気室。携帯でも繋いでおいて、タマキのタイミングに合わせてアリシアがブレーカーを落とした。この学園の電気の……いや、この世界の光を全て奪う電灯の主幹を。
前にカミノは言ってた。この世界は学園が全てだって。学園の窓から見える外部の景色……それすらも幻想で、光情報として見せられていたってことね。そうでなくては、まだ日の出ているこの時間帯に、完全な暗闇を作ることなんて出来ない。
こんなタイミングで、この世界のことをさらに知るなんてね。
「タマキさん、よくあの暗闇でキンさん達を捕らえられましたね」
「じーっと目を瞑っておけば、暗闇になっても多少見えるって言うんだぜ!」
カミノとスバルが話しているけど、それは違う。
この世界の光を全て落としたんだから、そんなことは関係ない。目が慣れるのは、あくまで少しの光がないと意味がないんだ。
光が落ちてから全ては一瞬。タマキがターゲットに近付く足音さえもなかった。でも、タマキとキンの距離は2m弱はあった。近付かなければ届かない。
ということは……。
「……見つけた」
けど、乙滅でG級を対戦相手に指定することは出来ない……。
「え?」
「何でもないよ、カミノ」
アリシアとタマキが教団に上がった。どうも、今このクラスにG級は2人しかいなくなったみたいだ。タマキを揉んでしまった中に、キン含め残り2人のG級がいた……けど、揉み返されて今はFカップ。
「これだけ全クラスの者が集まっているのか、いい機会だ。なあ、アリシア」
「ええ、そうですわね。
当初5人いたG級は、今や2人になりました。昨今、そのG級に上がる方がいることは愚か、クラス間の移動も少ないという状況でした。しかしながら、それは好ましくありませんの。
そこで今回の乙滅! 参加出来るのはクラスごとにこれまでの2倍!
そして……対戦相手に、私とタマキ、G級を指定することもOKとしますわ!」
上がる歓声。これまでの掟を変えられるってことは、G級ってのはやっぱりすごいということかね。っていうか、昔は5人いたんだ。四天王的な感じかと思ってたわ。
だけど……。
これで最大の問題がクリアできた。
「さぁ皆さん! 来週の乙滅、存分に揉み合いましょう!」
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