第3話 初めての揉み合い
――今日もやってきました
えっと、この実況、本当にカミノ?
確かに普段の乙奪は実況してるって言ってたけど、マイク持つとキャラ変わる系女子なの?
にしても、乙奪の準備は本当に全部A、Bクラスなんだなー。エントリー受付とりまとめ、会場設営に司会進行、終わったら後片付け……。勉強はいいけど、なかなか大変だこれはー。通常時おっぱい揉むことないって言うけど、忙しくて誰も出来ないってことなんじゃ?
「ナナセ! お前の相手見たかー? あんのむかつくシルヴィーだぜ!? あのG級アリシアを揉んだお前なら楽勝か? せいぜい頑張るんだぜー?」
「スバルも頑張って。スバルの相手、Dクラス2位の人だったね」
スバルと話していると、少年を相手してる気分になるわ。口悪いけど悪い奴じゃないってのは、この1週間で分かったけど。ちなみにスバルは、Aの72でAクラスでは上の方……でも、一般的には間違いなく貧乳。
――それでは改めてルール説明をします! 揉み合いの内容は“ピンポンダッシュ”! スタート地点からゴール地点まで、より多くのピンポン玉を運んだ方の勝ち!
玉を運ぶのに使えるのは、おっぱいとおっぱいを抑えるための両腕のみ! ゴールは5m先なので、落とさないように進んでくださいねーー!
ではー……スタッーーートッ!
スバルもスバルで頑張るみたいだけど、今は自分の方に集中しないとね。ところでカミノは実況頑張りすぎ。
私の相手は、Dクラストップのシルヴィー……先週はスバル相手に、余裕の勝利をしたおっぱい。どう見ても手加減していたから、30個はピンポン玉を運ばないといけないと見た。
――さてまずは! Aクラス3位のスバル選手vsDクラス2位のココウェット選手の戦い!
ココウェット選手は、すでにその豊満なバストに10数個の玉を包んでいる! 対するスバル選手は、先週同様その全くないおっぱいには何も包めていなーい! 辛うじて4個の玉を持っているが、やはりおっぱいではなく腕で抑えているだけだー! ルール上はとりあえずセーフだが、これは勝負になっているのかーー!?
「カミノうっせー! って叫んだら玉落ちたんだぜ!?」
――さあ勝負開始30秒にして勝負は決したかスバル選手!
――では、今日が初出場! なんとあのG級トップ、アリシア様を揉んだという伝説を残しそうな、Aクラスビリ、ナナセ選手! 対するは、Eクラス昇格にカウントダウンか、Dクラストップ、シルヴィー選手!
シルヴィー選手、先週と同じく余裕で玉を谷間に収め、すでに何個あるか分からないぞなんだその谷間の深さはー!
――ところで、ナナセ選手はどこに行った!? さきほどから姿が見えないがー……っている! いましたずっといたようです! 視界に入らないと思ったら、床に寝ている寝そべっているー! いったい何をしているんだー!?
「カミノすごいなー……アナウンサーになればいいよ」
私は寝っ転がってるだけー……なわけないけど。皆、正攻法に捕らわれすぎだっての。おっぱい使えないなら頭を使わないとってね。
――な、ナナセ選手! なんと、仰向けに寝転んで、そのあまりに平たいおっぱいの上にピンポン玉を乗せているー! 脇では腕でおっぱいを抑えてはいるがおっぱいはない! 代わりに玉を抑えている!
これはもう! ただテーブルの上にピンポン玉を乗せているだけに等しい状態だ! だがしかし! 玉の数は優に30を超えているーー!
「そ、そんな貧乳しかできない方法!? ふざけてる……ふざけてるぅ!」
「悔しそうにされればされるほど、こっちが悔しくなるセリフありがとう……」
皆がやる正攻法ってのは、この揉み合いはあくまで立ったままでやるってこと。でもルールとしては、胸に玉を置いて、腕で支えるのはOKってだけ。そりゃーまっすぐ立ってたら谷間に玉を収納できるおっぱいが有利だけど、寝転がったらこっちの方が有利だからねー。
あとは……。
「よいしょよいしょ」
――這った、這ったぞナナセ選手!
寝転がって玉を乗せたまま這っているーー! もう間もなくゴール、これには対戦相手のシルヴィー選手もあきらめの顔というか半笑いだー! G級アリシア様タマキ様も苦笑いでその尺取虫に注目しているーー!
これは数えるまでもなく、ナナセ選手の勝利だーー! 皆さーん! ナナセ選手のおっぱいを揉んで揉んでもみまくりましょーー!
「あ」
しまった、そんな挨拶という名のカゴメカゴメがあるんだった。もういいよ、前触っても後ろ触っても対して変わらないこの身体をどうぞ触ってくださいな!
◆
「ナナセさん、おめでとう!」
クラッカーなんてどこから用意したの、カミノ。マイルームに戻った途端だよ? カミノは小物が好きでたくさん飾ってるから、そんな散らかるもの使ったら後でとんでもないことに……。
「シルヴィーさんに勝ってしまうなんて、快挙過ぎますありえません! ちなみにピンポンダッシュはもうやらないですし、次のゲームは勝てそうにもありませんが……。
ですがとにかく! ナナセさん、測ってみましょうバストを! Dクラストップを揉んだんですから、きっとBクラス目前ですよ!」
「ん? そんなの必要ないじゃん。鏡見ればいいのに」
「え?」
おー、バスト
あ、そういえば。
「それで思い出したんだけど、あのG級トップって言われてるアリシアっているじゃん? 確かに見た目はGカップっぽいけど、Bの78って出てる……なんでG級なの?」
「出てる?」
あれはとんでもないパッドなのだろうか。こんなおっぱいが中心の世界で皆を騙せるなんて、私にもくれ。
「ところでどうしたのカミノ? そんなに見つめられたら惚れるよ」
カミノって、清楚なお嬢様って紹介文が絶対つくなこれ。
「
「え、何? カメラ?」
「
いちがんれふ……カミノが漢字で書いてくれたけど、なんだこれ後ろ二文字。読めんわ。
「AA65」
「そうです全く変化がないまっ平らなおっぱいです!」
おでことおでこが当たるよそんなズイっと来たら。
「この世界にはですね!」
さらにずいっと。キスできるよキス。
「強靭な蓋で閉ざされた壷が、堅い檻で封じられているんです。その中には、魂が宿っていると言われています。そして、その封印を解く鍵が、4つの宝なんです!」
カミノ曰く。
その4つの宝は、蓋、檻、壷、魂を冠するものなんだと。それぞれ特殊な力があって、この世界にいる誰かが所持してるらしい。
で、そのうちの
「でも……その一眼でアリシア様のおっぱいがBクラスに見えるのなら、アリシア様は
その漢字の並びならギリギリ読める。っていうかシリコンて。夢も希望もないな。
「
チートっす。でも、実は私の方がチートなんじゃない? それを見破ってるんだから。
……本当はそっちの
「次は、
「最後は、
3倍の距離て。ゴムゴムのやつかな?
けど、それもまた強いな……乙奪みたいなゲームならいいけど、ケンカでもあったら最強だなー。
「でしてでして! これが一番大事な所です!
檻の宝で檻から開放し、蓋の宝で蓋を解除する。壷の宝で壷を割り、魂の宝で魂を開放すれば……未開のH級になれるんです!」
「えっと?」
ちょっと日本語が難解。
「平たく言うと、4つの宝を持った人……その人達を全て揉むんです!」
「全部揉む」
今、G級トップのアリシアが、この世界にいる中で最も巨乳っていうのは聞いた。H級ってことはHカップ……そのアリシアを超えるってことは、実質の世界の支配者じゃん!
「そして! そのH級になると、願いが1つだけ叶うそうなんです!」
「ほー」
ボールを7個集める的な? っていうかすごいなそれ。なんかもう、すでにおっぱい大きくなったり小さくなったり色々変なせいで、リアクション取りきれなかったけど。
でも待って、それって、今まであまり考えたことなかったけど……元の世界に戻る、なんてことも可能なのかな。
……元の世界に戻る……?
いやいやいや、これ夢だと思ってたのに、いつの間に私は……。
「ちなみに! ナナセさんは
いやまあ、どうせそのうち覚めるでしょう。だったら、目の前のことを楽しんでおくか。
「それにしても、そんな話があるなんて知らなかったよ」
「来たばかりですもんね」
まだまだ知らないことが多そうだなあ。
じゃあ皆が巨乳を目指しているのは、そのH級を目指すためでもあるってことか。私が
いや……残りの2つの宝を探すには、その情報を売るであるとか、思い切り公開して周りを動かして炙り出すとかってこともできるかも。特に
仮に後者を取る場合、Aクラスのままじゃダメだ、目立たない。今私は、アリシアを揉んで、初めての乙奪でも勝ってる。
来週の乙奪、明らかに私にケンカ打った内容だった……けど、これで勝つことができれば……!
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