風邪4

タイミングの良さに

動揺していると、

今度はしゅんくんからLINE。



『仕事中ですか?

 良かったら飯行きませんか(^ω^)』



本当にご飯に誘ってくれるんだ。

と、感心したけど、

さすがに出掛ける元気はない。




『家にいるんだけど、

 風邪こじらせてしんどいから

 今日は無理だ…(>_<)』




返信しておきながら、

タカユキの二の舞になったら

やだなーなんて心配になる。


きっとしゅんくんなら、

“お大事に”くらい

言ってくれそうだけど…。



そんな中、

携帯は再びしゅんくんからの

着信を知らせる。



今度は出られたけど、

私のガラガラの声を聞いた

しゅんくんは驚いたたようで、

「ごめんね、LINEにする」と

慌ただしく通話を切った。



それでも…それだけでも、

なんだか嬉しくて

温かい気持ちになれた。



その後きたLINEでも、

しゅんくんは

こちらが申し訳なくなるくらい

気遣ってくれた。



「おかゆ作りに行こうか?

 ていうか冬子さん、

 ちゃんとしたもの食べてる?」



なんて聞かれた時は、

お母さんみたいだーなんて

呑気に笑ってしまった。

もちろん、

申し訳なさすぎるので、

気持ちだけ受け取ることにした。



しゅんくんは、

私が眠るまでLINEに付き合って

くれて…というか、

やり取りしているうちに、

私は眠ってしまっていた。



目が覚めて確認してみると、

最後にしゅんくんからの

LINEがきていた。




「冬子さん寝たかな?

 起きたらまたLINEしてね。

 元気になったら遊びましょう(´ω`*)!」




これだけで、

しゅんくんへ気持ちがぐらつく私は、

愚かしいのか。単純すぎるか。



でも、

最後まで優しさをくれた彼に、

私は再び決意した。




私が選ぶべきは…きっと、彼じゃない。

















しゅんくんだ。

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