風邪2
もちろん、
電話で済ませるような話ではないし、
私だって口にしてないんだから、
当然と言えば当然かもしれない。
でも、約束しているクリスマスまで、
あと1ヵ月はある。
それまでずっと会うこともなく…
このままなのかな。
落ちそうになる気分を
なんとか紛らわせようと
携帯をいじっていたら、
しゅんくんからメールがきた。
『LINE登録した!!
元カノ出てきてビビった(笑)
でも、冬子さん見つからん…』
IDを送ったら、今度は
LINEの新着通知が表示される。
『まだ慣れないけど、
便利っぽいしがんばる!
冬子さんが友だち第一号(´ω`)』
…やっぱり、私がまだ
誠実になりきれてないから
いけないのかもしれない。
いつもなら癒される
しゅんくんの可愛い文面に、
胸がチクンと痛んだ。
しゅんくんやタカユキに
思い悩む一方で、
私は次の就職先が決まった。
始業は年明けから。
しかし、バイトを辞めようとは
少しも思わなかった。
まあ、そういう仕事やるなら
彼氏は作るべきではないよね。
という気持ちもあったけど。
そんな思いもあったから
タカユキには黙っていたし、
話すつもりもなかった。
ただ、しゅんくんには
酔っ払った拍子に
風俗系の仕事始めたよーと話していたっけ。
そして、就活が終わって
気が抜けたのか、私は
かなり久しぶりに風邪をひいた。
病院やコンビニに行く体力すらないまま、
ひたすらノドの痛みと38度の熱に耐える。
こういうとき、
一人暮らしは辛い。
でも、看病されたいというよりは、
寂しくて心細いから
誰かそばにいてほしい。
柄にもなく、そんな想いの方が強かった。
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