狭間

翌日目が覚めたらまだ午前中で、

覚醒しきっていないタカユキと

ベッドでふざけ合いながら

退室時間ギリギリまで過ごした。



ホテルを出てから

2人でお昼ご飯を食べた。

その間に、お互いの近況を報告する。



タカユキは埼玉に住んだままで、

現在就活中だった。



「冬子がいるなら、絶対都内で仕事決める」



そんな言葉も、

なんだかすごく嬉しかった。


久しぶりのセックスは

気持ちよかったし、

やっぱりまだ好きかもしれない…

なんて思いも芽生えていた。




最後にLINEを交換して、

別々の電車に乗った。




何時間かぶりに携帯を見ると、

メールやLINEが溜まっていた。

その中に、

しゅんくんからのを見つける。




『冬子さーん。会いたいです…

 連絡ください(´・ω・`)』




そうだ。ここ最近、

連絡返してなかったんだ。



暫く考えた後に、私の指先は

返信メールを作り始めていた。



今は、しゅんくんよりもタカユキ。

久しぶりの再会を経て、

私の心は、タカユキに傾いていた。




…これなら

しゅんくんに会える。




仮に会ったところで、

「なんで彼女のこと隠してたの?」

なんて、詰めるようなこともしないはず。




私から返事をしてしまえば

早いもので、

会う約束はすぐにできた。




そして、あの日がやって来る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る