返信
しゅんくんから連絡がこないことに
すっかり慣れてしまった夏の終わり、
勤めていた会社が倒産した。
唐突すぎ…なんて思ったけど、
そう言えば、
少しずつ仕事量が減っていた気がする。
望まずして、
突然自由になってしまった。
二つのバイトに励んだところで、
一人の時間なんて
ぜんぜん埋まらなかった。
ただでさえ少ない友人の中に
平日でも遊べるような子は居なくて。
気心知れたセフレならまだしも、
ただセックスしかしないような
相手とは、
何だか会う気になれなくて。
深く考えないようにはしていたけど、
本当は…しゅんくんに
会いたかったのかもしれない。
でも、所詮彼と私はセフレだ。
会いたい時に会えて当たり前
なんて関係ではない。
それ以前に、
連絡すらないのだから
どうしようもない…。
そんな思いを
燻らせていた時だった。
それは、突然に来た。
画面に映し出された文字を見たとき、
目を疑うどころの騒ぎではなかった。
返信なんてもう、
絶対に来ないと思ってたから。
『連絡できなくて
ごめんなさい…(´・ω・`)
まだ会ってくれますか??』
彼からきた三ヶ月ぶりくらいの
メールだったと思う。
ソッコーで返信したらきもいかな…
なんてことすら考えられなかった。
『生きてたの!?
元気?? 会いたいよー!!』
相変わらず可愛くない文面だけど、
すかさず返信した。
そして、会う約束ができた。
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