主従
当時の私には
少し変わった性癖があったし、
しゅんくんはそれ以上に
変態的な嗜好の持ち主だった。
男の人を、イジメタイ。
サディストと呼ばれるほど
大それたなものではなかったけど、
私は男の人を攻めるのが好きだった。
もちろん、セックス中に。
この性癖とは今でも
付き合い続けているけど、
当時は気付いたばかりだった上に
セックスに夢中だった時期なので、
今よりもこの願望が強かったように思う。
今日だって"あわよくばセックス"と
思っていた私は、メールの時点で
このことを伝えたいた。
そして、しゅんくんは
そんな私の性癖にも興味を示していた。
だからこそ、
会ってくれたんだろうし
出会って即ホテルに誘った私のことも
受け入れてくれたのだ。
そう、しゅんくんはMだった。
それも、
私とは違ってドがつくM。
しかし、
残念ながら私はこの日のことを
よく覚えていない。
行為に及んだことは及んだのだけど、
内容がイマイチ…
書き出せるほどの記憶がない。
恐らく、初日だったし
それほどアブノーマルなことは
しなかった…はず。
そんな中で私が覚えているのは、
セックス中のしゅんくんは
びっくりするほど従順で変態的で、
それでいてすごく可愛いこと。
挿入はしなかったため
身体はどこか物足りなさを感じていたものの、
気持ちの面では満たされた気がしたこと。
そしてしゅんくんが、
私に懐いてくれたことだった。
「冬子さん、気持ちよかった…。
はまっちゃいそうでやばい」
情事後。
そうやってまた、目を細めて
ふにゃっとした笑顔を見せる。
それに対して
もちろん嬉しさはあったけど、
このときの私の中では
セフレが増えたなーとか
セフレって言うより
ペットかなーとかそんな程度だった。
「普通にご飯とかも行って
冬子さんのこと知りたい」
そんな言葉も、
よくある社交辞令くらいにしか
思っていなかったんだ。
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