第5話 さあここからが問題だ

『ちょっとおかしな物語』がまあ一段落ついたところで、おいらの心にはぽっかりと穴が開いてしまった。前のエピソードで書いたけれど、『ちょっとおかしな物語』はあと五話を残して弾切れ。脳に新芽が出るまで種蒔きをしなくてはならない。長編は『マリンズの熱い夏』はまあまあ書けているが、いかんせんプロ野球小説なのでオフシーズンから始まりジャパンシリーズ(現実社会でいう日本シリーズ)まで書かなきゃいけないから長い長い。今、やっとオールスター戦というところだからあと半分か。こりゃあ、二十万字超えるな。あと何ヶ月かかるか? 現実のプロ野球と同時進行だったりして。『大変記』は正直、煮詰まっている。話の結末が見えないんだ。見えたら書く。それまで寝かしておこう。他に『ドンブラン王国記』ってのを書いていたんだけど、書いていて苦痛を感じるようになってしまって削除しちゃった。今頃呪っているだろうな登場人物たち。いずれ違う形で書いてあげたいと思う。


 話が自作の宣伝みたいになってしまった。本題に戻ろう。

 六月一日からはカクヨムでエッセイ・実話・実用作品コンテストが始まる。初めは応募しないつもりだった。書くネタは一つだけある。だけどそれは自分の恥部をさらすものだった。書くのに躊躇した。だから一日になってもアクションを起こさなかった。

 それが二日目になったら、突然やる気になった。おいら自身が驚いたよ。とにかく五万字書く。テーマはもちろん自分の病気のこと。その発症から現在までを思い出せる限り克明に書いていく。それは楽しいものではなかった。途中で削除しようと思ったことも何度かある。でも連載中に★をいただいてしまった。もう引き返せない。後先考えずに書いた。そしたら四万五千字でネタが尽きた。各エピソードはがっちり固まっていて加筆はできない。どうしよう。しょうがないから思っていることを軒並み吐き出した。これが良くなかった。作品はなんとか五万字を超えた。しかし、達成感はなかった。やっつけ仕事だったと思う。時間はたっぷりあるのだからゆっくり考えて、他人の共感を呼ぶ文章を書けばよかった。なのにせっかちなおいらは五万字書くことだけに集中してしまった。何か追い立てられている感じだった。

 その作品『狂気の夏〜僕の躁鬱病体験記・苦しさが伝わらない〜』は1400近いPVをもらいながら★15いただくにとどまっている。今日現在のランキングは七十四位だ。出遅れているというか絶望的な位置だ。他の人を引き合いに出して恐縮だがフォロワーさんのR氏の作品はPV1500で★52だ。(プライバシーを考え、データを若干加工しています)R氏の作品が読者の共感を得ているのに対し、おいらのは共感されていない。まさに苦しさが伝わらないのである。それはおいらの文章が駄目なのか、内容がアウトなのか? それとももっと違う理由があるのかおいらにはちっとも分からない。


 それと慌てて書いてしまってすぐに完結にしてしまったのも失敗の一つだ。連載中ならば、新しいエピソードを書くたびに新着小説としてトップページに載ることができる。時間帯によっては数秒で消えてしまうこともあるけれど、それでも人の目には止まる。だが完結してしまったら完全に埋没してしまう。人の目に触れない物語が読まれることはない。コンテスト中くらい、完結している参加作品をベルトコンベアみたいにズラーッとトップページに載せてくれないだろうか。お願いしたところで、もう無理か。ははは……自虐の笑いです。


 そういうわけで『狂気の夏〜僕の躁鬱病体験記・苦しさが伝わらない〜』お暇だったら読んでみてください。たぶん、首をひねるんじゃないかな。


 まずい、宣伝ばっかりしている。『狂気の夏〜僕の躁鬱病体験記・苦しさが伝わらない〜』を書き終えたおいらは、虚脱感に苛まれた。そして、一日中ぼんやりしながらカクヨムのトップページと自分の小説管理のページをぼーっと眺めて暮らしている。はい、ここに一人、カクヨムに脳を侵された、カクヨム廃人が出来上がりました。終わり……ってなわけにはいかない。この先も連載を細々と続けるのだ。ここまでがおいらのカクヨムでの足跡と挫折の物語だ。長いプロローグでしたな。これからはカクヨムを中心に思ったことを書こうと思う。ブログ風になるかもしれない。読書日記になるかもしれない。

 プロットのない人生に何があるか分かるはずもない。

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