第4話 これは読まれたぞ

 長編執筆をしていたおいらだが、筋書きを書くのに疲れて停滞してしまった。何日もカクヨムをROMっている状態が続く。頭がもやもやして考えるのが嫌になってしまった。これはいかん。気分を変えよう。カクヨムは短編ばやりだから、ここは思い切ってショートショートでも書くか。でもたくさん書くのも、毎日書くのも自信ないからときどき書こう。タイトルも『ときどき一話』だ。

 そうやって、幾つか書き始めたが、一向にお客さんは来ない。おいらはタイトルとエピソードの順番が悪いと考えて、タイトルを試行錯誤しながら変えていって、最終的には「あっという間に読めるから『あっという間の物語』にしよう」と決めた。そして、エピソードのトップに親しみやすくて自分でも気に入っている『スマホ』を持ってきた。それが当たった。一桁だったPVが二桁、三桁に上がる。見たことのない数字が並ぶ。こっちの頭も冴えてきて話がたくさんできる。これは流れに乗ったと思った。ついにはレビューも複数つき、おいら史上初、四桁すなわち1000を記録した。笑わないでくれよ、人気作家さんたち。おいら底辺作者は1000なんて数字、夢か幻なんだから。少しくらい喜ばせておくれよ。


 でも、おいらには運がなかった。この絶好調の時期に予定があって、三日間家を空けなければならなかった。その間、新作の更新ができない。えっ? スマホで書けばいいだろうだって。おいらのiPhoneったら改行後の段落の一文字空けができないんだ。そんなこと気にしなければいいだと? やだね。形式美にこだわるのがおいらのスタイルだ。

 そんなわけでおいらは所用で北海道に行ったんだけれど、新千歳空港に着いた時には200近くPVが上がっていて狂喜したね。だけど日にちが経つにつれ、PVは歩みを止めていき、帰りの新千歳空港でチェックした時と羽田に到着した時のPVは一緒だった。心が凍ったね。人生と一緒で小説にも星のように光り輝く時がある。その一番輝いている時を逃すと、流れ星になって消えてしまう。おいらには本当に運がない。繰り返しになっちゃったな。でももう一回言わせてくれ。おいらには運がない!


 それでも『あっという間の物語』は執筆中の今現在で2200PVを超えている。おいらにとっては大成功だ。でも当たり前のことかもしれないが、エピソード数が増えるとお客さんも減っていく。『あっという間の物語』は百話で完結したのだが、先頭の『スマホ』が110PVあるのに対し、最終話の『よろしくま・ぺこりの履歴書』は10PVだ。百名のお客さんが途中で逃げちゃったってことだな。さすがに百話は長すぎた。ショートショートの意味がなくなっちゃう。

 そこでショートショート第二弾『ちょっとおかしな物語』は五十話で終わろうと思った。ええ、二匹目のドジョウを狙いましたが、何か問題でも?

 ところが二匹目のドジョウもメダカも見つからない。えっ? メダカってレッドデータブックに載ってるの。そりゃあ、捕まらないはずだ、という冗談はさておき、『ちょっとおかしな物語』はちっともウケなかった。おいらは、早々に見切りをつけて三十話で打ち切ることにした。最後のタイトルは『エンドロール』これでいいじゃないか。これからは見ないふりしてきた長編小説に戻ろう。そう思っていた時、『ちょっとおかしな物語』にレビューがついた。著作権が絡むといけないから、かいつまんで言うと「三十話ではもったい無い。五十話、百話と続けて欲しい」というものだった。これは激烈なメッセージだ。静かに燃えたね。おいらは【終】の文字を消去して『ちょっとおかしな物語』を再開させた。PVは『あっという間の物語』の半分だけども★の数では自己最高の23となった。(本当は26だったんだ。だけど★3つくれた人がBANされて幻と消えたのさ)

 で現在、『ちょっとおかしな物語』は継続中である。九十話くらいから、ネタが頭に浮かばなくなったのである。執筆中の現在九十五話、あと五つが書けない。早く書いて成仏させたいものである。チーン。

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