第3話 短編小説に走る

 第一回のカクヨムWeb小説コンテストの必須条件が十万字以上だったので、おいらは必死に長編小説を書いていた。しかし★を得るためを考えれば、それは無駄な行為だった。

 読者は読み切り一回完結の短編小説を望んでいたのだ。おいらはパソコンで書いたり見たりしているけれど、若いお兄さん、お姉ちゃんはスマホでカクヨムしているんだろう。スマホで長編小説を読むなんて無理な話だ。目は疲れるし肩はこる。バッテリーの残量も少なくなってしまい、大事な連絡を取れなくなってしまうかもしれない。「ここは短編でしょ」と松岡茉優に面と向かって言われたような気がしたのでおいらは短編小説を書くことにしたんだ。ああ、松岡茉優が出てくるのは前にやってたCMのパクリである。または妄想ともいう。

『土俵を叩く男』『耳鳴り通信』『打ちのめされる』『罰当たりな男』『時を超えて』『玉子かけ御飯忘れがたく候』と六作を一気に書き上げアップした。幸い『罰当たりな男』以外は★を頂戴し、中でも『玉子かけ御飯忘れがたく候』は★12もいただいた。(レビューしたお礼もあったと思うがこの際、底辺作家につき目をつぶっていただきたい)

 ところがところがである。後になってわかったことだが、某スコッパーさんに『打ちのめされる』と『玉子かけ御飯忘れがたく候』が酷評されていたのである。即ち「読む価値なし」と。

 ちょっとムッとしたおいらは近況ノートにぼやきを入れた。「一言言ってくれてもいいんじゃない」と。

 すると今度はクローザーの異名を持つ、某辛口感想家が知り合いでもないのにおいらの近況ノートにコメントしてきて「批評するのに一言言うマナーはありません。批評されたらありがとうと言うべきです」と書き込んできた。「はあ? 読む価値ないと言われて『ありがとう』って言えるか! 俺はキリストさまじゃねえよ」と思ったけれど、正直に書いて揉め事になると面倒くさいから、近況ノートを削除した。そしたら辛口さん、自分の近況ノートにこのことを賢しらげに取り上げて自分がさも正しいことをしたように書いてやんの。またそれを信者さんみたいな人が持ち上げるの。これ見て、おいらは批評家、感想家が大嫌いになった。だから今後は勝手に批評されたら訴えてやろうと思う。誰に? それがわからないんだな。


 そういうわけで、カクヨムでは短編小説が有利だと書いたけれど、どうもおいらは長編向きの人間のような気がするんだ。だからここはあえて不利な長編小説、しかも『軌跡』の続編というとてつもなく不利な小説『マリンズの熱い夏』と『平帆太郎伝』の続編『大変記』を書き出した。二つともノープラン、ノープロットだ。現在、両方ともノープロットのツケが来て今後の展開に悩んでいる。特に『大変記』は二ヶ月以上ほったらかしだ。なのに、ここにきてPVが上がってきている。まずい。読者志向ならばすぐに続きを書かねばならぬが、おいらは自分志向なので慌てないのだ。でも、待っててね。必ず続きを書くから。


 おいらは長編志向って言ったけれど、舌の根も乾かぬうちに、違う方面に向かってしまう。さあ、それはなんでしょう。答えは次回のお楽しみである。

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