第10話 蔑視の証としての制服

 私が通っていた高校の制服はブレザーでした。このブレザーは蔑視を受ける対象でだったのです。この話をする時に重要になるのが新潟県の地理です。新潟県は主に上越・中越・下越といった3つの地域に別れており、私が住んでいた地域は中越に該当しました。この中越地方。市で区分すると長岡市、三条市、柏崎市、小千谷市、加茂市等が該当します。私が通っていた高校は加茂市にあったのですが、近隣のその他の市内には進学校がひしめいていました。例えば、元日本弁護士連合会山岸憲司氏を輩出した長岡高校(偏差値66)、現新潟県知事泉田裕彦氏の出身高校である三条高校(偏差値62)等、加茂暁星高校とは偏差値が10も20も違う高校が点在していました。もちろん加茂暁星と同程度の高校も周りにはありましたがそれらの高校は制服が「進学校と同様の学ラン」でした。進学校に通っている生徒の服装との違いは詳しく見ない限りわかりません。しかし、私が通っていた高校の服装は「ブレザー」。そうです。1番蔑視の対象になりやすかったのが加茂暁星高校の制服だったのです。     

 特に印象に残った出来事があります。当時まだ存命であった祖父が危篤になりました。私はアルバイト先にいたので自転車ですぐさま病院に向かう途中。その時に急いでいたので信号待ちの進学校の生徒達とぶつかってしまったのです。そうしたら彼らは開口一番に

「底辺校の愚図が!馬鹿が映るだろうが!!死ねよ!!!」

 と私に言い放ちました。確かにぶつかってしまった私に非があります。しかし、ぶつかっただけでこのような暴言を吐かれたことは10代の若い心に深い傷を残しました。今回のことをきっかけに駅前等で進学校の生徒達の会話を盗み聞くようになりました。そのようにしたところ

「あいつら暁星だろ?馬鹿じゃんwww」

「ああいう社会のゴミがいるおかげで俺たちが見下せるんだから感謝しないとなw」

 等の陰口を言われていたことに気付きました。今まで意識していなかった分、馬鹿にされているのが痛いほどわかりました。確かに私は馬鹿かもしれません。要領が悪いかもしれません。しかし、必死で生きていました。犯罪等を行ったわけではありません。それにも関わらずこの有り様です。多様性が欠如した田舎では差別が如実に表れていました。



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