§2:「目に触れる」ことと「読まれる」ことの違い――インプレッションとCTR

 前項で、「インプレッション数」と「流入数」について説明しました。

 では具体的に、これらをどう考え、なにを改善していけばいいのでしょうか?


 前項でも少しふれた、一般的なカクヨム攻略法は以下のようなものです。

・こまめに更新する

・インパクトのあるキャッチコピーをつける

・他の人の作品を読み、レビューをする

・SNS等で宣伝をする

・フォロー返しなどを丁寧に行い、繋がりを大切にする


 これらの内容が、KPI項目にどう影響するのかを見ていきます。



●インプレッションを上げる


 まずは人の目に触れること。そのための施策が以下です。


【こまめに更新する】

 更新を行うことで、「新着」に小説が表示されます。

 そのことによって、自分の作品が人の眼に触れることになります。


【他の人の作品を読み、レビューをする】

 レビューを投稿すると、新着レビューに表示されます。

 そのことによって、間接的にですが自分の作品に人が触れる機会を増やすことになります。


 また、レビューを書かれた作者に対して直接自分の作品を宣伝することにもなります。

 このことは次の内容にも繋がっていきます。


【フォロー返しなどを丁寧に行い、繋がりを大切にする】

 フォロワー数が増えると、自分が作品を更新した際にそのことが通知される人数が増えることになります。


 また、レビューを書いてもらうのはもっとも効果的です。


【SNSなどで宣伝する】

 直接自分を知っている人間に宣伝します。

 カクヨムユーザーでない人の方が多いので直接的に星の獲得には繋がらないかもしれません。

 しかし、PV数が増えればランキングが上がることにもなるので、結果的に更なるインプレッション数を増やすことになります。

 実際のところ、これが一番効果的かもしれません。



●流入数を上げる


 まず第一に、流入数はインプレッション数以上にはなりません。

 インプレッションが上がれば相関的に流入数が上がっていくことになりますが、この時に重要なのが「CTR」です。


 CTRはインプレッション数に対する流入数の割合。

 言い換えると、「1」を測る数値でもあります。


 そのために重要なのが、


【インパクトのあるキャッチコピーをつける】


 である、ということになります。




 現状では残念ながら、カクヨムの中で上記の「インプレッション数」と「流入数」を明確に測定する方法はありません。


 ですが、この項の内容を理解していれば、自分の作品に対して「なにを改善するべきか」を考えることが出来るようになります。



 例として、拙作「水面みなもを渡る人」を挙げておきましょう。


 実はこの作品を投稿するとき、カクヨムの「PV数」と「新着投稿数」を参考にして、効果の高そうな時間を狙い、1時間ごとに新エピソードを公開するなどの施策を行い、効果を測りました。


※PV数や新着投稿数については、藤浪保さん「カクヨム統計 ver. 1.0」を参考にさせていただきました。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881024225

この場を借りて御礼申し上げます。


 しかし、結果は思ったようにPVが伸びませんでした。



 一方で、他の作品「恋愛結婚禁止法」や「不法就老」は、特にそういう工夫を行っていませんが、PV数の伸びは「水面を渡る人」よりも高くなりました。


 こうしたことから、「水面を渡る人」は「CTRに優れていない」という結論を出すことができます。


 まぁ、当たり前っちゃ当たり前のことですね。

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