KPI理論で考えるWeb小説の展開法
輝井永澄
§1:Web小説における「コンバージョン」――なにを目標として、どの数値を測ればいいか?
「カクヨムでPVやランキングを上げる方法」というテーマは、様々な人が書いておられます。
私も色々と参考にさせていただきました。
その中で主に語られていることは以下のようなものが多いと思います。
・こまめに更新する
・インパクトのあるキャッチコピーをつける
・他の人の作品を読み、レビューをする
・SNS等で宣伝をする
・フォロー返しなどを丁寧に行い、繋がりを大切にする
どれも大切なことだと思います。
しかし、「これをやってさえいればいい」というわけでない、と感じる方も多いのではないでしょうか。
また、実際にやってるけど全然伸びないよ!という方も多いと思われます。
なぜでしょうか?
ITビジネスの世界ではこういう場合、「KPI」という考え方を使って「効果測定」を行います。
●KPIとは
……Key Performance Indicator(重要業績評価指標)
簡単に説明すると、設定した目標に対して、それを達成するためのプロセスがどのように機能しているかを数値で計測するのが「KPI」です。
例を挙げましょう。
とある通販サイトがあったとします。
この通販サイトが目標としているのはもちろん、「サイトを訪れた方に商品を購入してもらう」ことです。
恐らくは、1ヶ月の売り上げ目標なども設定されているでしょう。
そのために、広告を出したりもします。
まとめサイトなんか見てると表示されるバナー広告が代表的です。
インターネットというのは恐ろしい世界で、この広告が「どれくらい機能しているか」、「どれくらい売り上げに貢献したのか」が、以下のような数値によって全て計測され、わかってしまいます。
・インプレッション数(広告が表示された回数)
・クリック数、流入数(広告をクリックしてサイトを訪れた人の数)
・CTR(Click Through Rate……インプレッションに対して流入した人数の割合)
・離脱率(ページが遷移する毎に、どれだけの割合がサイトを離脱したか。ページ毎に計測)
・コンバージョン数、注文数(実際に商品が注文された数)
・CVR(Conversion Rate……流入数に対して注文がされた人数の割合)
※通常、「ユニーク数(同じ人が何度もクリックしたのをカウントしない)」と「延べ数」は分けて考えますが、ここでは話をシンプルにするため一旦置いておきます。
こうした計測を行うことで、サイトを訪れたユーザー行動について細かく分析し、「どこを改善すれば、最終目標である売上の向上につながるのか」を検討していくわけです。
上記は代表的な項目であり、他にも色々と計測を行うことも多いですが、しかしこれを考えるだけでもかなりのことがわかってきます。
●カクヨムに当てはめて考えてみる
上記項目について、カクヨムで考えてみましょう。
まず、作品における「コンバージョン」(商品購入などの、目標とするべき最終成果)がなにかを考えます。
カクヨムの作品においては、これは「星をもらうこと」であると考えられるでしょう。
そうやって考えると、そこに至るまでのプロセスを以下のように考えることができます。
・インプレッション数
……「新着小説」やランキング、レビューなどで、作品が人の眼に触れる数
・流入数
……インプレッションから実際に作品ページを開いた人数
CTR:その割合
・離脱率
……各エピソード毎にPVが下がっていく割合
・コンバージョン数
……星がついた数
CVR:その割合
次項以降で、それぞれの項目をどう考えればいいか、説明していきます。
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