2回目

別に、親に虐待をされている訳でもないが、親が嫌いだ。

私に嘘をつくな。嘘をつく事はいけない、と教育したにも関わらず、自分は嘘を平気でつくのだ。


私の耳に入らないような所でならまだ、許せたが私の目の前で嘘を吐いた時は心底呆れた。



小学5年生の頃、周りの子は皆お小遣いをもらっていた。

周りの家族は皆、私より裕福な生活をしていた。

流石に5年生にもなったので、ほかの家と私の家の違いも分かったが、それでも100円でも、貰えるのと貰えないのでは気持ちの違いがあった。


だから私は、親に「中学生になったら、お小遣い制度がいいな」とおねだりをした。

あんなに、しつこく言った事は短い人生を生きて、あの時だけだった。


親は、「分かった。」と私の目の前で、はっきりと、言った。

しかし、中学に入っても一向に貰える気配が無かったので、親に直接言ってみた。

すると、「あぁ、そんな事言ってたね」程度で終わってしまった。



その他、色々嘘を吐かれた事は何度でもあった。

いやまぁ、それが親というものだろう。私も、いつかそうなるのだろう。

……そう思えば、こんなこと、どうでも良くなってしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

落ちの人生 佐々木街助 @sasaki_machisuke

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ