『食べる行為』は、本能であり生命維持の基本である。そして食べられなくなったら終焉を迎える。それは当たり前でありながら、私たちは気づかずに生活している。それは本当に良いことなのだろうか。この作品を読み、生きていく中で食べることをもっと重要視したいと思った。
この作品は、ごく平凡なサラリーマンと美男且つ知的な男性との不思議な交流(オイシイ関係)を描いている。どこか社会に受け入れられない二人が育んだ絆が強固な友情を生み出していく流れに違和感はなく、親しみさえ覚えた。心を許しあった二人の会話はきっと誰もが憧れるものだろう。
素通りしがちな人間関係を改めて、それこそじっくりと丁寧に考えてみたくなる。本質的な「生きる源泉」を他者に秘めた心象風景としても興味深い作品だった。