違和感
私が、母の事を「おかしいのではないか?」と思い始めたのは、小学生の頃でした。
幼稚園の頃と打って変わって、小学生になった私は、沢山の友達ができ、時々、喧嘩やいじめなどの問題がありながらも、それなりに人と関われるようになっていました。(相変わらず、明るく活発な子は演じていましたが……。)
その頃、私には親友がいました。仮にAちゃんとしておきます。
Aちゃんは大人しく、絵を描くのが好きな子で、どちらかと言うと消極的な子なのに、当時の担任を通して私に、「今日、一緒に帰ろう。」と言ってくれた子でした。
そこまでして自分と仲良くなりたいと思ってくれた事が純粋に嬉しかったし、当時私も絵を描くのが好きだったので、Aちゃんとはすぐに仲良くなりました。
Aちゃんはいくつか習い事をしており、とても忙しそうにしていました。
Aちゃんはピアノとバレエを習っており、その女の子らしい習い事に、私はとても憧れていました。
一方の私は、幼稚園時代に嫌々始めさせられた空手を習っていました。
学校で、空手を習っていると言うと、何もしていないのに恐いと言われたり、「女の子なのに……」と陰口を言われたり、周囲からのウケは最悪でした。
それでも空手自体が楽しかったら良かったのですが、体育会系のノリは合わないし、周りの子ども達は年上の男の子ばかりで話し相手はできないし……で、苦痛以外の何物でもありませんでした。
何度も母に辞めたいと言ったのですが、何故か断固として反対され、「習い事をさせてもらえるだけ良いと思え!」と怒られました。
私は空手を辞めて、ピアノを習いたかったのですが、これも母は反対し、結局送迎を担当していた父が、仕事の関係で送迎できなくなるまで(母は免許を持っていません。)、空手を辞めることは許されませんでした。そして、辞めた後、ピアノを習うことも許されませんでした。
私がやりたいと言って始めたわけでもなく、やっていて楽しいと感じたこともなく、大泣きするほど辞めたいと言っていた空手を、延々続けさせた母の気持ちは、今思い返してもよくわかりません。習い事なんて、辞めても何も支障ないものなのに……。
ピアノを習わせてくれなかったのは、月謝や送迎の問題があったのかな?と思いますが、やりたくない習い事に払い続ける月謝の方がよっぽど無駄ではないのか?と、思います。
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