第19話 一芸コンテスト
その後、再び体育館に戻ると、みんなが手拍子を始め出した。いよいよ合同合宿で最も人気のある一芸コンテストが始まるのだ。一人当たりの持ち時間は二十秒。たった二十秒に全力を掛けるのをみんな心待ちにしていた。まずは、大阪城南高校の一年生から順番に今できる最高のパフォーマンスをした。失敗しても構わない。みんな必死に演技した。そして神戸山手高校の一年生に順番が回ってきた。まずは、ミライからだ。なんとミライは五ボールを披露した。最後は失敗したが、高校初めとは思えない程の上達ぶりだった。ユウキはリョウに教えてもらった三ディアボロを披露した。必死で回りの反応も分からなかったが、充実した二十秒だった。ユナもディアボロを披露した。ユウキとのパス交換ではミスばかりだったが、この時はまずまずの演技をした。さっきはあんなにミスしていたのに……、ユウキはまだユナがわざとミスしていたことに気づいていなかった。みんな失敗など恐れず伸び伸びと披露した。全員の演技が終わると自然と大きな拍手が鳴り響いた。するとリョウが立ち上がり、今から十クラブパッシングをすると言い出した。
「エエー」
という悲鳴のような歓声が響いたと同時に、ユウキの横でアカリがすっと立ち上がった。老人ホームのときとは違い、自信にあふれていた。
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