第17話 夏合宿

 八月になり、ユニフォームを新調した新入生たちは夏合宿を心待ちにしていた。なぜなら神戸山手高校は、ジャグリングで有名な大阪城南高校と合同合宿を二年前から行っていたからだ。しかしなぜ、実力も県も違う高校が合同合宿をしていたかというと、実は、顧問の先生同士が同級生で、そこに目を付けたシホが必死にお願いをしたとのことだ。はじめは何度が断られたみたいだが、シホの情熱に負けて実現したらしい。最もシホには他にも理由があったみたいだが……。二泊三日の合宿。一日目は午後から練習。夜は人気の一芸コンテスト。二日目は午前が練習。午後は海水浴。そして夜は花火。三日目はメインの団体のパフォーマンス実施だ。合宿前日。一年生だけで、団体パフォーマンスの最終練習をした。ディアボロのパス交換。二人、三人でするボール。クラブパッシング。アカリを中心にチームはまとまった。しかしユウキは不思議に思うことがあった。なぜアカリはもっとレベルの高い先輩たちとではなく、初心者もいる一年生だけのチームでパフォーマンスするのか。

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