第16話 SOURIRE

 初舞台で自信をつけた新入生たちではあったが、あの時、みんなお揃いの服をそろえたらよかったと思っていた。確かに、衣装を準備してきたのはアカリだけで、あとはみんなそれぞれのジャージやTシャツだった。そこでみんな、よってたかって意見を出し合いユニフォームのデザインを決めることにした。みんなの意見がバラバラでなかなかきまらなかったが、アカリが、衣装は地味にして、道具の色が目立つほうがいいということで意見がまとまり、団体用では、黒を基調としたユニフォームにした。個人用には、色違いのユニフォームを各自で選ぶことにした。背面には、サークル名の「SОURIRE」と背番号を表面の左胸には「神戸山手高校」の文字を黄色で入れた。

 それから二週間後、待ちに待った、ユニフォームが届いた。

「これが私たちのユニフォームね。みんなで揃えるってとこがいいよね。仲間って感じがして」

コハルは嬉しそうに新品のユニフォームを手にして言った。

「やる気が出るよな」

ソラも早く着たそうにしてた。

「ねぇ、みんな着替えようよ」

アカリの掛け声にみんな賛成し、早速ユニフォームに袖を通した。

「どう、似合う?」

「似合う似合う」

みんな新しいユニフォームを喜んだ。

「シホ先輩どうですか?」

「おっ、いいねぇ。これで、イベントのときも一体感を出して演技できるわね」

 シホはうらやましそうに言った。

 そういえば、先輩達は、こうしたユニフォームを持っていなかった。ということは、イベントにもあまり参加してないのだな、ユウキは直感的にそう思った。

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