第10話 アカリ

 サークルからの帰り道、アカリはいつもの場所に立ち寄った。

「アカリちゃん今日は元気そうね。何かいいことでもあったの?」

老人ホームにいるおばあちゃんが話をしてきた。

「うん、ちょっとね」

「そう、それはよかったね」

「ジャグリングサークルに入部したの。中学のときはなかったけど、今の高校にはあるの。ショーをするときは見に来てね」

「ええいいわよ」

「アカリちゃんに会うと元気が出るわ」

そんなことをしばしば言われた。この老人ホームは、アカリの元気の源だった。スラットしたルックス、顔立ちのよさ、おばあちゃんへの優しさ、そして完璧なジャグリング。まさに非の打ち所のない少女だった。

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