虚空を奏でる伍の鉄線


暗い正方形の部屋に飾られる証


ここに刻まれた音 記憶された時間 まるで切り抜かれた絵本のように



スタンドに立つマイクが 悲しく斜めを向いていた



音をなくした部屋に残るのは


空っぽな僕と 黒と紫の君



ごめんね ありがとう 楽しかったよ



君たちは 笑ってる気がした



スポットライト当たるステージ


照らされる僕らは何時だって主人公だった


刻み奏でる音に物語があった



いつだって 僕らは・・・






あれから どれくらいたったか


銀色の箱と 錆びた鉄線



刻まれたディストーションの音も



今はもう 聴こえないんだね



奏でることはやめないよ だけど あの日には戻れない



それぞれの道 進んで変わっていく中で



僕だけ まだ 此処から歩めないでいる



別れは 新たな出会いだって誰かが歌っていたのを思い出した。



それくらい 何かにすがりたかったのかもしれない



ごめんね 次は 新しい物語を遺そう



倒れたスタンド 傾いた夢

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