第50話 花盛りより枯れた季節こそお祝いだ。

花盛りこそいいなんて、誰が決めたんだって話。

枯れたときこそ、次の段階の種子が実るんじゃないか。


全盛期だねとか若いとか、のってるねとか

人生の花咲く季節ばかり

世間や他人は誉めそやすけど

そんなもの、勝手に言わせておけばいい。

輝ける人気に大衆は砂糖に群がるように寄ってくるけれど

そんな人たちは、気まぐれで、そこの声に生き方の軸を置いたら死ぬ思いをする。


花盛りの時期は時期でチヤホヤされるのを楽しむのもいい。

花盛りだからこそ与えられる機会や、会える人や、現実化の速さを味わえばいい。

いずれ終わるものだから。

いずれ会えなくなる人もいるから。


枯れて死に絶える時期が来たときこそ言祝ぐべきで

今までが結実して

あなたの奥で、新しい扉を開くための種子になる準備が始まってる。


種子が形作られ、芽ぶくまでには時間がかかる。

え~~~~!!嫌だ~~~~!!

と騒いでも

かかるもんは、かかるんだから仕方がない。

種子の外皮を剥いで胚乳だけにしたって、芽は出ず花も咲かない。

種子は死んでしまって、春になってもあなたは花を見ることがない。


これまでが調子良かったから

枯れはじめると恐怖を感じるのは当然だ。

生命のあり方として、エネルギーをほとばしらせてる方が気持ちいい。


でも、覚えておくといい。

枯れた冬を越えたとき

迎える春は今までと全く違う次元にいける。

これまで桜はピンクだな、程度の認識でいたのが

これからの桜は発光するような新鮮な色や、

樹木の微妙な振動が奏でる音楽、

芳しさを味わえる。

うわ~~、生命、やばい。地球凄すぎってなる。


花咲く季節もあれば、枯れて死に絶える季節もあって

枯れるときは大人しく枯れて死んでいればいい。

それだって自然なプロセスなんだから。


花は咲き誇り、そして枯れゆく。

奢ることもせず、惑うこともせず。

あるがままに生きるのはつよく美しい。

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