第3章 頭の声だけじゃなく、体の声も聞こうよ。

第51話 無条件の愛、の反対側。


自分好みになれば愛してあげる

成長変化すれば愛してあげる

許してくれるならば愛してあげる

養ってくれれば愛してあげる

条件付きの愛は本当に愛なのかな。


調教、調教。

相手が都合のいいように

あなたをコントロールしたいだけ。

動物を調教するように

あなたを愛という餌で操ってるだけ。


いくら優しくたって

あなたの気持ちを言い当てたって

役に立つことをしてくれたって

寂しさを埋めてくれたって

調教されて、

人間扱いされていないのは同じだ。


相手の言うことを聞けば愛してくれるなんて考えはもう呪いだ。

言葉の裏にあるのは

自分らしく生きるなよ、

というあなたを根本から否定するもの。


だってそうでしょう?

赤ちゃんやペットを愛おしいと心底思うとき

食べたもの吐き出そうが

おしっこ漏らそうが

大事にしてたもの壊されようが

しょうがないな、って諦める。

失敗や欠点や性格が悪辣だからと言って

大切な存在を嫌いになったりしない。

むしろ、ミルク臭い手首のくびれが

食い意地の張ってるところが

気まぐれで、尻尾を振らないところが

魅力的なのだ。

本当に愛おしむと悪いところなんてなくなる。

改善してもらいたいなんて思わない。

そのまま、間抜けで、耳の裏が臭くて、おっちょこちょいでいてほしい。


こういうこと言うと勘違いする人がいて

相手はそのままでいて欲しい

その為に私は変わるわ、助けるわ、

だからありのままを愛してる、

という一見麗しい献身的な愛情もどきを語りだす。


あんな人は私しか理解できない。

私なら支えられる。私しか支えられないと思う。

変わった人だけど、一目見てなんか違うって衝撃うけたから。


こんな言葉を周りの人に言いだしたら末期だ。

自分だけが理解者で

これは運命の出会い、一目惚れだなんて

必死で自分に言い聞かせるのは何で?

周りに言いたてるのはどうして?

運命の人と思い込まないと、

溢れんばかりの執着が

今まで費やした時間が

なによりそう信じた自分が否定されてしまう。

そこには渇愛しかなくて、執着で自分を縛り上げているだけ。


あなたは執着してるだけ

相手はたぶんあなたが都合いいだけ。

そういう共犯関係だと承知の上なら何にも言わない。とことんまでやればいい。

でも愛を理由に自分を変質させる人は

相手が本当に自分を愛していないことを知ったとき

爆発して、周りをみんな壊して、世界を呪う。

そんなの、あなたが可哀想すぎる。


条件付きの愛なんて

さっさとゴミに出してしまおう。

見かけは素敵だけど役に立たない典型的なもの

あなたには必要ないよ。

そこから自由になったとき

真に愛し愛される関係がはじまるよ。

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