Pメン 2

ゲーム「P」


俺の働いていたゲームセンターである


親父と二人で住んでいたマンションはつき15万くらいの結構お高い高級な感じ


俺は高校卒業後に田舎から引越ししてきて専門学校にそこから通った


卒業後も当たり前のように居た、そこに家賃も払わず居ついていた


やっとたどり着いたこの店「P」は居心地が良かった


自分を作ることもなくそのままを出していればいい


それまでの俺はどこか斜に構えて人に興味がないように人に接しないように生活していた


「P」の常連達は俺に踏み込んできた


なんていうのか、奴らはずうずうしいのだ


俺は父親とすんでいるマンションに友人を入れた記憶がない


そこにいきなりいっていいかと言い出したのがRちゃんというまだ18くらいの背の低いがっちりした職人タイプの若い子だ


常連の中でも一番暦が長いようで「P」開店当時から来ているらしい


とても人懐っこいRちゃんは歴代の店員とは皆仲がいい


店長もRちゃんはひいきにしていてゲームのメダルをただであげたりすることがあるくらいだ


店長はサービスクレジットも極力入れないケチ極まりない人なのだがRちゃんは別格らしい


Rちゃんはゲームが上手くなんでも器用にこなす、ワンコインでゲームをクリアする人間を初めてみたのか彼が代表格だ


そんなRちゃんが家に来るようになってからだ、常連達が俺の家に連夜溜まり始めたのは




ある日店長が一人の常連について俺に語りだした


U君という背の高いイケメンなのに妙なオーラをもった子だ


浪人生だった彼は勉強の合間によく店に来るらしい


頭がよく優等生で一人だけ近所の高校ではなく進学校に行くという異端児ぽい感じ


格闘ゲームのセンスが尋常ではなく知識もすごい


彼も店長のお気に入りの一人だと言うのはよくわかった


しかし彼は俺に始めて話しかけてきたときは「調子はどうですか」といいながら何故か俺の横にぴったりくっついてきて尻に手が当たっていたような気がしてたんだ


なので奴はホモという疑いをかけてやったんだ、実際違ったんだろうけどな


MAちゃんという大柄な眼鏡の常連の子もいた


Rちゃんと同じ団地に住んでいる子で毎夜「P」に顔を出してくる


いろいろな事情で仕事はしてないが日課が「P」に来る事らしい


ただ仕事上店員の話し相手になってくれると言う「P」の中での重要人物なのは確かである


彼は自分が毎週買うマガジンを店長に貸してメダルを頂いてそれで遊ぶのだ


店は常連が出入りしているので暇という事はないし居るだけでも暇つぶしなのだろう


そんな面子が毎夜家にきていた


俺の家はゲーム機は大抵揃ってた


金に困ったら売りに出してはいたがハードはなるべく売らないでいた


さらに父親は週末は田舎の家族の所に帰っていたので俺一人になる


若者達のたまり場にはもって付けだったのだろう


他にもRちゃんやMAちゃんの同級の常連も出入りはする


そんな中でU君の同期でMAちゃんが俺に紹介したい人物が居るといってきた


俺とは絶対気が合うであろうというのだ


「P」にはしばらく出入りしていないという、なにやら冬は山にこもる事が多いらしい


その男はF、俺たち「P」メンsの中心人物ともいえる、まぁ車もってたから中心になったというのが本人不本意であるんだろうけど


音楽の趣味が俺に似ていてセンスが近いとMAちゃんが言っていた


1ヶ月くらい「P」で働いていたがFに会う事はなかった


当時スノボーが流行っていて奴は冬季は山にこもるらしい


ある夜Fと遭遇する事になるのだが


とても爽やか君なのだよ、ゲーセンに似合わないくらいのな


口を開いてもオタぽくなく来るまでかかる音楽もダンスミュージックというかなんか重低音がりがりな


まぁ後々突っ込むと彼も結構な業を背負ってはいるのだが


俺は「P」の常連の中でもFとはとても気は合った


そもそもあいつが居なければパソコンでHPなんかとても作れなくこのブログなんかも存在しなかったはずだ


こんな感じで新顔がどんどん増えていく


同時に俺の家に来る人間も増えていく


とても楽しい時期だった


「P」という場所が閉まってもそのままMOI宅でゲームをして朝に解散


そして次の日の夜は「P」から始まる


半年くらい続いたそんな生活


そんな時「P」の二号店ができるという話を店長からされる


俺も遅番が安定して一人でいてもいいくらいになったの頃だ


KAさんが店長としていくのだ


居場所はずっと変わらない、そんな風に思っていたんだよ、あの頃は

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