第14話
「暑いわね」
「ギルド……旧ギャンブル場は、この街で唯一、冷房があるですから、お姉様は余計に暑く感じるのですっ」
「そんなものあったの? というか、冷房って何?」
身を粉にしてあくせく働くのが信条の勇者にとって、ギャンブル場たるや、まったく縁遠いところでしかなかった。ましてや、その中の設備など知る余地もなかった。
「夏場になっても川の水って冷たいのですっ。それを水車で汲み上げ、室内で空気と触れさせることにより、室温を下げるしくみなのですっ!」
「へぇー。いいなー」
「しかし、その冷房たるや、ギャンブル場が潰れた最大の要因なのですっ!」
「なんで?」
「遊技機、そのうちの最新機『
説明しよう。魔法晶石を回転円盤に当てることで音声を取り出すのだが、温度管理が厳しく、高温になると高回転、すなわちロリ声になってしまうのだ!
「涼むためにやってきた多くの客により冷房能力が不足し、幼女の奇声がひたすら流れるという阿鼻叫喚の地獄絵図にパニックを起こした客が、逃げ出すために出口に殺到、将棋倒しになったのですっ」
「で、営業停止になったと」
司祭は、胸の前で十字を切る。痛ましい事件だったのだろう。
「さいわい死者は出なかったのですが……」
「って、十字切ったのは何?」
「非実在少女の児童ポルノということで問題になり、特に
「ロリコン規制、厳しいからなー。……って、オタク読者が大半なのに、そういう話でいいの?」
「幼女キャラクターがいることには問題がないですが、幼女やそれに類するビジュアルを掲げ、性的な内容で商売するのは、オタク層全体を貶める問題行為ですっ。少なくともロリコンビジネスは少数派にすべきですっ! そして」
「そして?」
「百合モノをもっと増やすべきです」
あくまで司祭の私見であり、本作品の公式見解ではございません。
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