第4話 集い、別れる「星」





 ガードナをさんざんにあしらった後、再度外の様子を伺い、危険が完全になくなったことを確認してから、ファナは何食わぬ顔でツィーガ達が茫然と立ち尽くす激戦の跡地に現れた。

 まだ竜の衝撃冷めやらぬ中、それでも彼女が来たことで空気が変わる。ファナはまず一番に、へたり込んだツィーガのところへやって来て治療をはじめた。

「お疲れ様。大変だったわね。トレンガ達は?」

 美貌に裏打ちされた、絶対の自信を持つ笑顔である。この笑顔に抵抗できる男性はいない、といってよい。ましてや人知れず、法具によって誘惑効果のある香りを纏わせていればなおさらというものである。ファナ・イルミは最初から負ける戦いなどしない、ガードナは敗れるべくして敗れたことを、今頃気づいて悔やんでいるかもしれなかった。

「トレンガ、そしてガリューシャは……」

 案の定、ツィーガは疲れた顔に笑顔を浮かべつつ、状況を説明する。邪気のまるでない瞳にやや気圧されるものの、話終えた後輩に、にっこりと笑みを返す。

「そう、竜が出現するとはね……何て言うか、あなた凄いわね。びっくりしたわ」

 竜と対話が成立させた、ということはもしかしなくても大事件であったが、当のツィーガはその重大性を認識してはいないようだ。

「何と言うか……」

 それ以上言葉が出てこない。ファナは話を無理強いせず、人を呼んでツィーガを担架に乗せるよう指示する。続けてエクイテオ達の治療にも取り掛かるが、誰もが竜にあてられたのか無言だった。運ばれようとするツィーガがこちらを見ているのに気付く。

「何か気になるの?」

「ええ。竜の言った言葉が」

 ツィーガはイングレイスの言葉を伝える。

「何か、不吉なことしか思いつかないですよね……」

「気にしたってしょうがないわ。今日は、まず休んで。全てはそれからでも遅くないわ。でしょう?」

「はい……そうですね」

何だか気が抜けていくようだ、ツィーガは言われるがまま、体を担架に預けた。放心しているリーファを見咎め、声をかけようとしたが、ファナが止める。

「今は、そっとしておいて。私が様子を見ておくから」

「ありがとうございます……」

 運ばれていくツィーガにはエクイエオが付き添う。ふらふらと歩く後ろ姿を、ファナはほくそ笑みながら見やっていた。



 夜が訪れる。一行は周囲の作業もほどほどに、ひとまず休むことになった。深夜、ツィーガが泥のように眠っている部屋へ音も無く忍びこんだ影が一つ。ファナである。いつもの生地を使った神官衣ではなく、動きやすい上下であった。より身体の線が強調され、飾り気がない分、却って蠱惑的な肉体が強調されていた。体からは実によい香りがする。 

「ツィーガ?寝ているの?」

 無論、返事はない。ファナは後ろ手に扉を閉め、当然のように若き神官戦士の枕元に座り込む。スパッダの紋があしらわれた小物入れから美しい指で一つまみ、香を取り出すと、既に焚いている香と合わせて、小さく祈りを捧げる。

「今回は頑張ったわね。御褒美をあげるわ」

 強い、刺激的な香りが室内を一気に満たす。ファナは寝台に滑り込み、ツィーガの固い髪を撫でる。ファナはこうして本人が無意識のうちに支配下に置くことで、自身の立場と力を強化してきたのであった。

「私の従僕にしてあげる。これ以上の栄誉はないわよ?」

「う……」

 ツィーガは夢うつつの状態である。薄く微笑むと、ツィーガに向けて顔を近づける。濃密な香りが含まれた唇が重なろうとしていた。

「もしもーし。お楽しみのところ申し訳ない」

「!」

 身を起こし、距離を取りながら体勢を整える。入ってきたのは、エクイテオだった。暗い室内で、表情はよく判らないが、どうも笑っているようである。警戒するファナの前でのんびりとした様子で明かりを灯す。

「どーも。野暮な男でーす」

「どうして……?そうか、風の精霊のおかげね」

「そういうこと。本当に察しがいいね。ちなみにツィーガにも効いてないぜ。ただ疲れて寝てるだけさ」

 香りも風に阻まれば届くことはない、ということか。精霊士の動きまでは読めなかったが、ファナの顔には余裕の笑みが浮かんだ。

「いつ気付いたの?」

「勘」

 面白味のない答えに、ファナは鼻で笑った。

「おろ、怖い反応。美人ってのはそれでも絵になるからいやになるね……新人のはずのツィーガに大分裁量を与えていたから、気になって色々風の精霊に聞き込みをお願いしてたのさ。いやはや、大したご活躍で」

「私に歯向って、無事で済むと思うの?」

 ファナの滲みでる凄味にも、テオは少なくとも表面上は全く動じていない。

「取引といこう」

「取引?」

 テオが見せた血まみれの冊子を見た瞬間、ファナの顔色が変わった。

「それは……!」

「まったく、察しのいいことで。人体実験の現場で見つけた。研究の成果だろうよ。もしツィーガと俺を自由にしてくれるなら、こいつを進呈してもいいぜ」

「嫌だ、と言ったら?」

「まず、こいつは火の精霊の夜食になるってとこかな。火の精霊は欲張りだからなあ、あんたの綺麗な顔なんかも、特に好きそうだぜ」

 数瞬の逡巡の後、ファナは花開くような笑顔をエクイテオに見せた。ここまで自分の動きを呼んでいる男が取引を申し込んできた時点で勝負はついている。引き際と、流れを読むことに関しても一流を自認するものとして、大事なことは切り替えの早さである。

「分かったわ。でも一つ教えて。何で、そうまでしてこの子の面倒を見るの?」

ファナの質問に、エクイテオはしれっとした態度で答える。

「そいつのお姉さんから頼まれてさ、弟を頼むってね。もう死んじまったから、取消しもできなくて困ってるよ」

 ずばりと言い切ったエクイテオの顔は真剣であり、とっさにファナも切り返せない。

「……」

「神官なら知ってるよな?竜の襲撃で滅んだ最後の街のことをよ」

「ティンクオンのこと?」

「ツィーガはそこの出身さ。なぜ、救援が無かったのかね。くだらない権力闘争で、何人の人が死んだやら」

 ファナ顔が曇る。「ティンクオンの雷」は今から一〇年前に起きた、エスパダールとデュミエンドとの政争により生じた悲劇である。勢力地争いの中で旗色を鮮明にしなかった地方都市ティンクオンは、最悪の時期に竜の襲撃を受け、壊滅した。街が全滅したことをいいことに、両国とも事件については口を塞ぎ、腫れものに触れるような扱いを続けていた。

「……」

 安らかな寝息のツィーガを見やる。

「神からも人からも見放されてさ。いくらだってこの世を嘆いてもいいはずなのに、こいつは人を疑ったり、恨んだりするような男にならなかった。自分が、今度こそ自分が皆を守るってな……こいつは、普通の神官戦士やって、普通の人の生活守るような生き方が似合ってんだよ。あんたや、俺とかみたいに裏道歩いたってしょうがないのさ」

 言葉の軽さに秘められた熱意をファナは感じ取る。大切なものを守るためなら、いつでも危険な存在へと変貌できるという凄味が軽薄そうな風貌に宿っていた。ファナは自分の人物鑑定にも自信をもっていたので、唐突に作戦を切り替える。蜜のように甘い笑みを作って、エクイテオに近づこうとする。

「ふうん。それじゃあ貴方だけでもいいわ。私と組まない?」

「やめておくよ」

「どうして?同じお仲間なんでしょ、私達は」

 ファナは自然としなを作る。官能的な仕草に、テオは鼻の下を伸ばしたかに見えた。と、急に冊子をファナに放って寄こす。慌てて両手で受け止めると、エクイテオは意地の悪い顔で悪女の様子を眺めて笑った。

「それそれ。あんたと一緒だと命がいくつあっても足りなそうだ」

 何を言ってやろうかと考えている間に、テオは姿を消す。あとには濃密な香りと、穏やかな寝顔と、しかめっ面の美女だけが残された。





 ツィーガ達がエスパダールに戻り報告が完了してもなお、役所仕事の全ての終わりには、事務仕事が付きまとう。被害報告書に領収書、苦情処理。上司であるデリクスが、たまりにたまった書類にうんざりしていると、ファナがいきなり扉を開けて入ってきた。

「お疲れ様、司祭長殿」

「そちらこそお疲れさん。流石の手並みだね」

「あなたには負けるわ」

 いつもの楚々とした口調ではない。こちらこそ、ファナ・イルミのもう一つの本当の顔であった。常にない鋭い視線に幾分の艶を込めて、デリクスの顔を見つめている。デリクスは彼女の素性を把握しているので、ファナも率直かつ横柄な態度で上司に接していた。

「どうせ、ドーミラの被害報告が入ったときには、既にタントレッタには手を打っていたんでしょ?呆れた手並みね。おかげで大事にならずにすんだけど」

「君の手際には負けるよ」

 ファナの治療術師としての顔は表の顔。その真の姿は、重大犯罪に対応するために組織された精鋭部隊の一人であった。任務についてから三年。これまで一度も失敗をしていない凄腕であり、それなりに知られた存在であった。そのファナをもってしても、目の前の凡庸な容貌を持つ男、デリクス・デミトリアスの水際立った仕事振りには敵わない。事件の初動において、既にタントレッタ大使館と接触し、事件処理に関しての方針をさっさとまとめ上げていたことで、ガードナの身柄確保が可能となったのである。【凪のデリクス】といえば、各国の暗部組織では知らぬものなき雷名であり、ファナは彼の仕事振りを見るために、自ら望んで部下になったのだった。

「言質を取るために、どんな手を使ったの?」

「世の中には、ツテとかコネとかがあるのよ……君こそ、タントレッタの秘術、【鬼化】の情報を入手できたんだから、未来は明るいね」

 ファナは不敵に笑うだけで詳しくは語らない。エクイエオとの約束は一応守っていた。彼の見付けた冊子には、人と鬼族を合成し、他者への憑依、融合へと至る方法が記されていた。研究の成果であり、犯罪の記録でもある。ガードナは逮捕されたあと、徹底的な「尋問」がなされたというが、どのような目にあったか、関係者は黙して語らない。誰もが知りたくもないことではあったが。

「竜の秘密は逃したけどね」

「竜なんてもの、手を出さない方が身のためさ。誰もが挑んでは敗れる、理想の美女みたいなものさ」

 君のような、ね。言葉にしない真意を読み取り、ファナはにっこりとシナをつくるが、デリクスは官能的な笑みを全く無視して茶をすすった。

「しかし追竜者が本当に竜になったのはいいとして、まさか白帝竜にかっさらわれるとはね。本末転倒もいいところじゃないかな」

「確かに、結果的に竜を利することになったんじゃたまらないわね」

 追竜者としては本懐なのかもしれないが、周囲の人間としては困惑することしきりである。今後、彼らへの風当たりが強くならなければよいが。デリクスは書類に署名をしながら、思いを巡らせる。ファナは、そんな中年男を見やりつつ、髪の毛を梳きながら、無作法に机の上に腰かけた。

「で、実際のところ、どうなの?大分あのツィーガって子を買っているみたいだけど」

「まあ、俺にもあんな頃があったなーなんてね」

 ファナの艶然とした仕草の中に、言いようのない凄味が浮かんで消える。

「何か狙いがなきゃ、命令違反をしたあの子の謹慎部屋に、法具を一緒にしないわよね」

「法具は神の力を顕現するもの。だけど、使うのは結局、人間だ。そして人間の志力を決めるのは、何より強い意思。どんな状況においても自らの志を通すために、どれだけ世界に対して挑戦することができるか……なんてね。俺の台詞じゃないぜ?」

「挑戦できると思った?」

「というより、挑戦できなきゃ、今後神官戦士としては役に立たないね」

「彼が動くことで事件は動いたけど……もしかしてあなたの作戦?」

「まさか。そこまで期待してない。あんな新人に責任を負わせたら可哀想じゃないか」

 デリクスの台詞に、もう一度微笑むとファナは扉を開けて出ていった。わざとらしく書類で顔を仰いでいると、太い男の声がした。

『いやしかし、怖い女だ。あいつ、お前の地位も狙っているみたいだな』

 デリクスの背後から声がする。そこには、新たに刃を与えられ、研ぎ直した【先生】こと、ラーガがいた。新たな法具として生まれ変わるための手直しを終えたところである。新品の剣に御満悦のようだ。

「こんな地位、いくらでもくれてやりますよ」

 潜んだ自負の深さは、誰にも伝わることがない。自身の感情を読まれるようではこの仕事はやっていられなかった。

「しかし、久しぶりですね。先生」

『先生はやめろ。デリクス』

「それでは先輩。どうですか、ツィーガは?」

『悪くないな。昔のお前みたいだ』

「とんでもない。俺はもっと大人しかったですよ。竜につっかかるなんて真似、できるわけないじゃないですか」

『機会がなかっただけだろうが。まあ大人しい分、性悪だったがね』

 デリクスは笑った。細い目が更に糸のようになる。

『お前のお陰で、ツィーガという有望な新人を失わずに済んだ。本人に代わって礼を言おう』

「いやいや。先輩が五〇年振りに身体を持って戦ったって聞いた日にゃ、久しぶりに血が騒いで、現場に出たくなりましたよ……」

 デリクスは、ツィーガとラーガの話を聞き、改めて今回の事件を振り返る。一方は自身の不滅、竜という高みへの到達を望んだ結果、他者を犠牲にし、魔に魅入られた。もう一方は他者のために自らを捧げた結果として、一度は失われた古つわものの技量を現世の肉体に宿し、復活させるという奇跡を成し遂げた。

 二つの相反する事実は、極めて辛辣なものと言えた。ツィーガ、ラーガ当の本人達は、自身の行為の意味などあまり考えていないのが、また強烈な皮肉であったろう。トレンガもあの世とやらで歯ぎしりしているのではないか。

「ちなみに、こんなところでぼーっとしてていいんですか?持ち主は今どこに?」

 内心などおくびにも出さず、デリクスはラーガに語り掛けた。

『ああ。折角の逢引きに、煩いのがいたら台無しだろう?少しは休暇も必要だ』

 逢引きとは古いな。デリクスは腹の中でそう呟いた。








 事後処理の結果、ドーミラの事件は悪魔に憑依された人間が起こした犯行として処理されることとなった。彼らの行った研究はエスパダールが接収。おそらくは厳重に封印され、公になるのは遠い未来のことであろう。追竜者であった一族はリーファを残して壊滅、ドーミラがあった場所は速やかに撤去され、タントレッタとの国境における拠点として再整備されることになるであろう、とのことである。

「でもまあ、追竜者全体が非難されることにならなくてよかった、かな……」

 デリクスから自宅療養という名の休暇を言い渡されたツィーガは、私服に着替え、リーファの送別会に向かいつつ呟く。送別会といっても参加者はツィーガ、エクイテオ両名のみ。リーファはまだ兄を失ったことの衝撃から立ち直ることはできずにいたが、少なくとも人前で取り乱すことはなかった。


 『夜更かし亭』の名前の通り、ツィーガ達三人が店を出たときは夜もすっかり深まっていた。リーファは明日の準備のために引き上げようとするなか、エクイテオがまだ飲むと言い出し、付き合おうとするツィーガを押しとどめる。

「お前は、きちんとリーファを宿まで送っていけよ。女の子に夜道一人歩かせるな」

 リーファならどんな夜道でも大丈夫だろうけど、という言葉は飲みこむ。

「じゃあな、リーファ。色々あったけど、あんたと会えてよかった」

「私も」

「明日、また見送りに行くからよ。出立は遅めにしてくれよ、起きれなそうだから」

「分かった」

 歓楽街に消えていく細い背中を見送り、ツィーガとリーファは帰路につく。二人とも何となく空を見上げ、無言だった。

「そう言えば、初めて会った時も夜だったね」

「そうだった」

 リーファの声がこわばる。慣れ親しんだ堅い口調が、心を偽っているようで、何故か気恥ずかしい。

「もう少し、休んでいたほうがいいんじゃないのかい?」

「いや。動いていたほうが、気がまぎれるから」

 リーファの返答に、ツィーガはそれ以上返す言葉がない。リーファは大きく息を吸った。

「ツィーガ。ありがとう。本当に世話になった。兄もきっと、感謝していると思う」

 ガリューシャは、最後の最後で報われたのだろうか。リーファはひとり首を振る。報われる、などという気持ちを兄ガリューシャは持ちえなかったであろう。一人娘の魂を抜き取ったとき、兄の人生は既に終わっていたのだろうから。

 だが、躓いたのかもしれないが、それでも兄は最後に微笑んで死ぬことができた。それ以上、何を望めるというのか。

「兄さん……」

 自身の中にある悲しみの置き場は、今はまだ見つからない。それがガリューシャへの想いなのか、それとも自身の一族に対するものなのかもわからない。兄が死んだときに抱いた追竜者という生き方への疑問は完全に消えてはいない。美しいもの、いと高きものを追うとは、こんなにも苦しく、醜いものなのか、果たしてこれから先、自分は耐えられるものなのか、と。静かに目を閉じたリーファに、ツィーガは問いかけた。

「これから、どうするんだい?」

「……追竜者は各地にいる。世界を巡って、自分を鍛えたい。そして、いつの日か、また竜に会いたいんだ。兄が命をかけて守ったあの竜に」

 兄が自分に言った、未熟という意味。リーファは、自分の生きる姿勢について言われたのだと、今では考えている。何を見据え、何を求めるのか。今の自分に見えていない何かをもっと真剣に探さねばならないと、諭された気がしていたからだ。だからこそ、行く。世界を巡ることが、今は竜を、兄を追いかけることになると信じて。月を見上げるリーファの横顔は、決意と希望に満ちてとても美しかった。

「素敵な目標だね」

「ツィーガ……私はまたエスパダールに戻ってくることも、あると思う。その時はまた会ってくれる?」

「勿論!何もなくても帰ってきてくれよ。何時でも、何度でもね。何時帰ってきてもいいよう、俺は街を守るから。それが俺の目標であり、約束だ」

 自分はリーファとは違う、とツィーガは思う。今はまだ、自分の本当の目標は見つからない。太陽のように輝く光はない。星が幾重にも煌めいて自分の行く先に散らばっている。ならば、一つ一つを見て行こう。様々な出会いを、別れを繰り返して、日々を生きて行こう。


「……ああ、約束する。絶対に」

 リーファが嬉しそうに微笑む。


 夜空の星々が囁くように、喧騒が遠く聞こえる。世界は回り、人は生きる。小さき声に耳を傾けて、円卓のように、皆で向かい合いながら。



                            

                                 完

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