グダグダLIFE~怪盗Ｚ~

第5話存在意義

リコside

ううっ…気まずいよ…ゾイ！？何でわざわざ…

「じゃー後は任せたぞー！ジアー！」

無言で頷くジア君…

「部屋…案内する…付いて…こい…」

やっぱり怖いよー‼絶対睨んでるよー！ううっ…でも付いていくしかないよね…

「う、うん！」

「…(ジーッ)」

ううっ…なんで凝視なの…目線が痛いよ…突き刺さってるよー…

「なぁ…」

「！？…はい…？」

いきなり声をかけられたからビックリして声が裏返っちゃった…

「っ…ごめん…怖がらせる…つもりは…無かった…」

えっ！？苦し気な顔で言うジア君の顔はその言葉を裏付けしていた

「不機嫌だったんじゃ…？」

でも…やっぱり…

「ち…違っ…ごめん…元々…怖い顔な上に…口数は少ねぇし…」

「私の事気に食わなかったんじゃ…？」

「そんなこと…全く…無ぇ…から…」

！？ジア君、実はただの口下手！？え！？絶対嫌われてると思ってた…

『嫌われてるとでも思ったのか…？』

！？今…今…えっ！？ジア君喋って無かったよね！？…何で！？…何か声が…

「どうかしたか？」

「今…ううん。やっぱり何でもない。」

不思議そうな顔をするジア君。やっぱり気のせいだよね…

「口悪くて…ごめん…な…？」

「いえ！別にいいですよ！そんなこと無いです！」

そんなことまで考えてくれて…本当は優しい人なんだろうなと思った。

「…なら…良かった…さっき…呼び捨て…だったけど…呼び捨てで…いいか…？」

「はい！『リコ』でいいですよ！」

「じゃあ…リコ…」

さっきより随分と親しみを感じられる呼び捨てになったなと思った。だって自分の見方次第で呼び方が同じでもこんなに違うんだってわかったから…自然ともう全くジア君を怖いとは思わなくなった。

「リコ？」

あれ！？私何かした！？

「…ん！？何！？」

「いや…別に…」

ん！？今…ちょっと口角上がった？…笑った！？会ってから初めて笑ってくれたことに感激しちゃった！

「リコは…俺達が…何で…ここにいるか…わかる…？」

「ううん…？…わからない…」

ジア君はだろうな…と言ってフッと笑った

「此所が俺の…いや、俺達の部屋だ…」

「うわぁー！」

ジア君が開けた扉の先には広いそして私が思っていたより遥かに綺麗な…ベッドの上に積み上げられた山積みのCDと無造作に置かれた多数の…武器！？…以外はシンプルで少しシックなお部屋…でも…武器！？えっ！？銃とか剣とかって武器だよね！？私の頭おかしくなっちゃったのかな！？見るからに凄いマシンとかも置いてある！？

「あ…置きっぱなしだった…じゃあ…話して…おいた方が…いいか…俺等がいる…意味に…ついて…」

「うん。お願い。」

私、今日あったみんなのこと、知りたいもの！

「リコは…もう…怪盗Ｚがゾイ…だってこと…知ってる…だろ…？」

「うん…？」

そう。ゾイは怪盗Ｚ。いくら義賊(お金持ちから金品を奪って、貧しい人達に分け与える人)みたいだからって、世間から見たら悪い人。警察に追われ、捕まれば死刑になってしまうような罪人。

「でも…ちょっと…違うんだ…確かに…現行犯は…ゾイだ…でも…ゾイが使う…眠り玉や…ハングライダー…は俺が…造ってる…盗みの計画も…ザウとズエが…考えてる…ゼオは…司令塔…だしな…」

ってことはつまり…

「…Ｚっていうのは、ゾイ一人じゃなくて…５人全員の団体の名前なんだね！？」

じゃあ…この人達全員、捕まったら…死刑囚！？

「ものわかり…良いな…そーゆーこと…だ…作業室で…俺が…何してるか…わかっただろ…？」

「うん！つまり…怪盗道具を造ってるんだね！」

「当たり…行くか？…作業室…」

ゼオ君が入らせてもらえないと言っていた作業室…きっと迷惑になっちゃう…でもっ…好奇心は騙せない！迷惑かも…っていう気持ちより好奇心が上回って…

「連れてって！」

気付いたら無意識に喋ってた…でも、ジア君は嫌な顔１つせずに…いや…嬉しそうに…？そんな訳無い…よね？

「ん…ちょっと…待ってろ…」

って言ってくれた。

そしてジア君と私は作業室の前に来たのです。

「こっからは…俺が…良いっていうまで…喋るなよ…？…何があっても…捕まってて…良いから…」

え…？そんなに…怖い物があるのかな…と思ったけど、扉が開いてジア君の言っていた意味がわかった。真っ暗だ…全然何も…見えない…！！怖くなってジア君におもいっきりしがみついてしまった…