第5話 エドガー・ケイシーって知ってますか?





昔、あるテレビ番組で、

エドガー・ケイシーという人の話を見た。

正確に紹介は出来ないが、かいつまんで言うと、

その人は、眠りの状態に入ると、

彼が知るはずのない知識を語ったそうだ。

彼の説明では、

彼は眠っている時に、巨大な図書館のような所にいて、

その中から本を選んで読んでいるだけなのだということだった。

そのたくさんの本は何の本なのかというと、

宇宙には、『宇宙意識』というものがあって、

そこに人類やあらゆる生き物が積み重ねた知恵が

集積されている。

人間は、

無名だから意味がなくて、

有名だから意味があるわけではない。

無名・有名にかかわらず

人間全ての存在に意味がある。

一人の人間が生涯で積み重ねた知恵は

みんな宇宙意識に行って、

そこで将来の宇宙のために役に立っている。

かなりぼくなりに曲解した説明だが、

そういう説だったと思う。

この『宇宙意識』を題材にして、

ぼくはいくつか小説を書いたくらいだから、

エドガー・ケイシーという人の考え方は、

ぼくの人生に大きな影響を与えた。

ぼくは子供の頃から

「有名にならなかったら、何のために生まれてきたのか分からない」

と思う性質の人間だったので、

何とかして有名になろうともがいたものだった。

けれども、

エドガー・ケイシーの『宇宙意識』の説をきいて、

はっと目が覚めたようになった。

無名だから意味がないというのは間違っていた。

ぼくは何かの勘違いをしていた。

あらゆる人はみんな意味があって存在していて、

その意味は全て『宇宙意識』という所に蓄積されている。

何も、『宇宙意識』という考え方がなくても、

人間全て意味があると思うべきなのだろうが、

生まれつき傲慢なぼくは、

なかなかそう納得出来なかった。

傲慢というのはいけないと思っても

なかなかなおらない。

だからエドガー・ケイシーは

ぼくの恩人の一人でもあります。

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