第4話 占いって昔はすごかったんだ

日本人の、特に男性は、

占いというのを嫌うようだが、

それは、日本では、占いというのは、

あくどい仕事と思われていて、

実際に占いを使って、あくどいことが行われている。

そんな日本も、昔は、

占いというものが、正式な職業として

認められるどころか、

国の政治を揺り動かす

大事な判断材料となっていたのだ。

戦国大名にも、軍師と呼ばれる存在がいたが、

そういう人は、

単なる大名の参謀長だったわけではない。

本来の仕事は、

占い師だったのだ。

たとえば東側の国に攻め込もうとは思うが、

いつ攻めたら一番効果的なのか、

東側の国の大名でもないのだから分からない。

そんな時に、

日の吉凶とか、方角とか、陰陽五行とかを色々と組み合わせて、

出陣の日を決めるのも、

軍師の仕事だった。

むしろそれが主たる仕事だった。

もっと昔には、

今では有名になった『陰陽師』という正式な仕事があった。

あれは、ファンタジー好きな人間が作った何かの冗談ではなく、

現実に政治の中枢を担っていたのだ。

今でもそうだが、

人には未来は分からない。

昔の人は、科学知識とかもなかったから、

もっと分からない世界に住んでいた。

飢饉や疫病なんかが蔓延したら、

手も足も出ない。

陰陽師は、

そういうことがなるべく起こらないようにと、

日夜色々な占い事に励んでいた。

全く冗談ではなく、

真面目な仕事だったのだ。

だからといって、

占いを好きになれとは言わないし、

あくどい占い師は是非とも駆逐したいものだと思っている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る