第3話 漂わせている感じ

こんなこと、普通の人には当たり前のことかも知れないけれど、

人間って、人によって、

漂わせている感じというものが違う。

それは、後光とかオーラという

たいそうなものじゃなくて、

「なんか、この人、いいなあ」とか

「なんか、この人、いやだなあ」とか、

そういうものは、

わざわざ言葉を交わさなくても、

分かるといえば分かる。

分からないといえば分からないけれど。

最初は「いやだなあ」と思っていた人と、

だんだんと親しくなっていったりもするし、

最初は「いいなあ」と思っていた人と

険悪になったりもする。

だから、

第一印象だけで人を判断することはよくない。

よくないけれど、

なんかこの、人が漂わせている感じというのは、

どこか霊的な雰囲気を持ったものだ。

顔つきや仕草の一つ一つに

その人の内面が、チラチラ現われる。

そんなものだけで、人に偏見を持ってはいけないが、

そういう感じというのは、大事にしていないといけないと思う。

人間には、

自分を守るという大事な仕事がある。

自分を台無しにしてまで人に尽くしていては、

自分が死んでしまい、

結局人助けなんか何も出来なくなる。

賢い犬が、

吠える人と吠えない人を何気なく決めているように、

人間も、

相手の感じというものを察知するのを

忘れてはいけないと思う。

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