その4
8/16(火)
私の携帯にまたまたおばあちゃんから電話。
「変な書類が来た!」
変な書類…それはプロバイダーだの通信だのの契約手続きが完了した後に届く書類の事だろう。おばあちゃんの言う『変な書類』はこれからわんさか送られるだろうな、と思いながら内容を確認してもらう。
「なんちゃらいうとこから(ここが読めないらしい)、利用期間のお知らせと書かれてあって、一ヶ月目は無料らしいけど二ヶ月目から課金されると書かれてある!!課金ってお金がかかるってこと?これどうしたらええの?」
と、かなりヒステリックな声が電話口から響く。勘弁してほしい…。
「一か月の無料期間という事は…ワイマックスという所からやと思う。ワイマックスは解約するサービスやから、おととい私がまとめた表にも書いてある。解約の電話は私がするけど、解約の内容と書類くらいはそれを見ながら目を通しといてよ。おととい作った表には、日にち順に内容と何処へ電話すればいいかという細かい事が書いてあるから、あと、届いた書類は保管しておいて。絶対に捨てたり無くしたりしたらあかんで?」
「解約には連絡が必要って書いてる。それ過ぎたらお金取られるんやって!」
……今、説明したったやん……
「だから、解約の時期と解約内容は表に書いてあるから、その書類じゃなくて電話の順番を表にしたやつ、あれをきちんと見といて」
「……わかった」
……ああ、この『分かった』は、分かっていないという意味やな……
「それから、おばあちゃんあれからパソコンの電源入れてみた?」
「…………」
「人間の体もそうやけど、パソコンもある程度頻繁に電源を入れんと、動き出すのに時間かかるで?今は何もしなくてもいいから、とにかく電源を入れて、暫くしてから切る、という動作をしておいた方がいいわ。電源を入れたり消したりの練習にもなるから」
「はいはいはい……」
おばあちゃん、だんだん苛立ってきたらしい。この『はいはいはい…』と連呼する時は『どうでもいい』という気持ちになっている証拠だ。面倒くさそうに返事をするおばあちゃんに、それでも必要な事は言っておかなければいけない。
「それから、その『変な書類』はこれからどしどしやってくる。でも絶対に一人で判断せんと私がいいという迄は保管しといて。また私が書類も確認しに行くから。絶対捨てたらあかんよ?」
「……はいはい」
NTTが繋がるまでとはいえ、せっかく無線でネットが出来る環境が整っているのに、おばあちゃんは電源を入れる事すらあれからやっていなかったのだ。勿体無い。というより、ほんまに誰の為に買ったパソコンなんですか?と叫びたくなった。
後日、あれだけ「捨てるな」と言っておいた書類の一つがごみ箱に突っ込まれてあった。ごみに出す日の前日でセーフだったが、一週間ずれていたら…と思うとぞっとした。
勿論、それが解約するのに重要な書類である、という説明をしても馬耳東風…おばあちゃんの耳には全く入る事はない。ちーん…。
わかったこと
『パソコンの電源は出来れば頻繁に入れた方がよい』
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