2014/7/3 銭湯の匂い

銭湯には、匂いがあるのをご存知ですか?


薬湯なんかはもちろん、その薬の匂いがあるんだけど、銭湯って、だいたいおんなじような匂いがするんです。新しい、古いに関係なく。


どんな匂いかを、頑張って説明せんとしてみむ(あやふやな古文)。


ほわーっとしてて、もやーんとしてる匂いです。いや自分で言うのもなんですけど全然伝わりませんね。点心が入ってるせいろを開けると、ぼわーっという湯気と一緒に何か匂いがするんですけど、それにちょっと似ています。匂いをもっと嗅ごうとして、無意識のうちに顎が上がっちゃうところも似てる。でも、せいろの匂いと違うところもあって、それが何なのか考えました。せいろの匂いにおばあちゃんちの匂い(多分、木造建築物から出てくる匂い)を加えるとかなり近くなる気がする…けど、おばあちゃんちの匂いは人によってきっと違うからなあ。


ずーっと昔、向田邦子さんの随筆を読んでいて、人の家のお風呂の匂いについて書いてあるところを読んだ記憶があります。夜、道を歩いていて、突然ドブからお湯を落としたお風呂の匂いが上がってくることがある、って内容だったと思います。


ポンコツ脳なので、正確な表現は覚えていないけど、人恋しい湯垢の匂い、と書かれていた記憶があります。


いま、駅を歩いていたら、周りに誰もいないし、何もないのに(植栽くらいしかない)、突然はっきりと銭湯の匂いがして、もちろん駅のすぐ横に銭湯なんてないし、きょろきょろと周りを見回していたら、不審者に間違われました。


きっと、最近銭湯に行けてないので、お風呂の神様が痺れを切らして呼びに来てくれたのかもなぁ、とぼんやり考えながら、帰宅。この季節はうっすら汗ばみ始めて、お風呂が一層気持ちいいですね。週末は、銭湯に行こうっと。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る