第2話 男と女
ルールールーシャバダバダシャバダバダ♪ルルルシャバダバダシャバダバダ♬
シャンソンが流れてきそうな題名にしてしまいました。中年狂犬ロイドです。
突然ですが、ロイドは地域でも1番格安なスポーツジムに入会しております。
平日の昼間にそのジムに行ったりしますと、そこには41歳のロイドから見て、オジサマ、オバサマがたくさんトレーニングに励んでいます。
つまりロイドはそのスポーツジムではひょっ子です。
このため、渦中にほとんど巻き込まれる事なく、冷静な目でオジサマ、オバサマの生態を観察する事ができます。
このスポーツジムでご一緒するオジサマ、オバサマ達の年齢層としては、高度成長期に生まれ、雇用に不安もなく、お見合いというシステムもまだ機能しており本人が望めば結婚できた。
給料も右肩上がり、バブルも経験し、退職金も年金もガッポリという恵まれた環境に生まれたオジサマ、オバサマ達・・・。
比較的オジサマは明るくて陽気な方が多いようです。(まあスポーツジムという利害関係が生じない場所だからでしょう。)
アクアウォーキング中オジサマ二人で社会的な話をされていることもしばしば見かけます。
つい先日はこんな会話が耳に入ってきました。
「ほら、あれ、あれの後な。櫻井なんとかっちゅーなんだっけほらあれ。」
「櫻井何とか?知らんなー。蓮舫とか小池百合子とか名前を聞くけど。なんだったっけかほら、あの人・・・男の名前はよう覚えさらん。」
「あれの後な」で舛添都知事の後任候補の話しと分かる抜群のコミュニケーション能力、それでいて誰がどうのという個人的な中傷はしない。「男の名前はよう覚えさらん」というウイットに富んだユーモア。
そう可愛いのです何だか。(決してロイドが枯れ専というワケではありません。てか、むしろ20代のつるんとした瀬戸康史くんや塩顔イケメン坂口健太郎くんなどがド・ストライクな変態キモオバハンなんです。)
微笑ましくてついつい「ジャニーズの嵐というグループの櫻井翔君のお父様で、総務省事務次官の櫻井俊さんですよ・・・。」と教えたくなる気持ちをグッと堪えていました。
また別のとある日の女性専用サウナルームでのオバサマ達の会話。
「あれはあの人が悪いのよ。✖✖さんが注意したらうるさいとか言ったらしいって。」
「あら、そうなの?」
「あの人っていつもスタジオで鏡の近くに陣取るじゃない?だから✖✖さんのグループがあの人の周りに陣取って鏡に映りにくくしたとかって(笑)あら、この人私だーい好き。素敵よね。」
「えー。私この人よりあれ、なんだっけ、あ、安住さんの方が好きだわー。」
(※サウナルームにはTVがあり、その画面には羽鳥慎一アナウンサーが映っていた。)
コレを聞いたロイドは「正直・・・。こ、怖い。オバサマ怖い」と感じました。
こんなパブリックな場所で声高に個人的な話(しかもイジメの話題)をしてしまう・・・。そして、やっぱりオバサマ達もロイドと同じように若い男性が好きなのだという事実。
ええ、ロイドだって立派なオバハンで、若い子から「こ、怖いし、キモっ!」と思われているでしょう。
しかしながらパブリックな場所で個人の中傷に繋がるような話はしません。
そして、自分より若い子を注意しなくてはならない時、言葉を慎重に選び彼らの人格を否定するような注意はさけ、しかも謝りながら注意するという気の使いよう。
それはロイドだけがしている事ではなく、ロイドと同じアラフォーの働いている女性は多かれ少なかれそうしている事でしょう。
一度ロイドはこのスポーツジムで、知らないオバサマに怒られたことがあります。
「あっなったねえっ!!」から始まるなんともはや感情的な怒り方。
まあ、簡単に言えばシャワーのお湯がかかったっていう話しなんですが。ロイドも無意識とはいえ加害者の立場の為、素直に「すみません!」と謝りました。
ここのスポーツジムは規則で「個人での個人への注意はトラブルに繫がるのスタッフにお申し出ください。」となっていて張り紙もされています。
たしかにトラブルにもなるよなぁと溜息が出ました。
しかし、女性はホルモンのバランスで感情的になりやすい生き物です。(更年期は閉経してから10年位続く人もいるようです。)
さらにその世代のオバサマ達は、寿退社が暗黙の了解で、舅姑との同居は当たり前。
子供は独り立ちし、ボケちゃった舅姑を病院に預けやっと自分の時間が出来たと思ったら、旦那が退職して家にいるというストレスフルな日々を過ごしてきたことでしょう。
だからこそ!
朗らかなオバサマに会うと「あー素敵だなあ。こんな風なオバサマにならなくてはいけないなあ。」と思う訳です。
ロイドは来世もまた人間として生まれたら「男」に生まれたいと思います。きっと男性だからこそ深ーい悩みや苦労もあることでしょう。
昆虫だったら贅沢を言うと、ミツバチのオスが良いです。
出来れば来世は、人間ではなく植物に生まれ変わりたいとも思います。しかしながら植物は植物なりに辛いこともあるでしょう。
でも「メスもしくは女性」という来世は避けたい。
女性による女性の蔑視だとお叱りを受けるかもしれません。でも嫌なもんは嫌なのです。
しかし、こんな肉体的にも社会的にもストレスフルな女性の方が平均寿命が長いって、どんだけ強いんじゃ。「女」よ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます