異界ニテ御伽ノ物語-流星の海-
鷹乃 みぃ。
プロローグ
異界ニテコレヲ現実ニスル
雪が降る晴天の日の太陽の光が眩しい夜だったー。
時期的にいうと今は気温の高い冬である。
この天気は雲一つない晴天にも関わらず雪が降っていたり、太陽がでている暗い夜であったり、普通寒いはずの冬は気温が高く夏のような日というあべこべな日常を僕は送ってしまっていた。
まるでゲームのリセットボタンを押し、記憶の全てが綺麗に消えてしまったような日常を。
足下に、どこまでもどこまでも広がる水面には、とても綺麗な星空と、たくさんの流星が流れていた。
僕は会話が出来る友達が欲しかった。
幸い、この世界には自分1人だけではなく今一緒にいる案内をしない案内係のような、人間というか幽霊というか、
一応、会話が出来ないわけでは無いが、まるで機械のようで100回同じ質問をすれば、100回同じ解答を普通に返してくる。これは例えなどでは無く、実際に試したのである。
そんな理由もあって人間味が無いな。なんて思いながら会話は最近していない。このことに呆れたからである。
...それでも、こんな生活を続けていると、
今でも昔の事を思い出してしまう。
「また会いたいな...」
こんな、あべこべで、殺風景になってしまった異世界より、いつの間にか、嫌々になっていた日常生活が恋しくなっていた。
友達に会いたい...
両親と話したい...
恋しくなっていると、何だかムカついてきた。
無理を言ってここへ来たのにも関わらず、あの日常が恋しくなってしまうなんて。
目が潤んできて周りがぼやけてきた。
『どうかしましたか?』
今にも涙があふれ出しそうな彼の顔を、のぞき込みながら案内をしない案内係は久しぶりに彼に話しかけた。
それに対し、久しぶりに返事をしてみる。
「助けてくれ...いつになったら、この世界から出られる」
前を勢いよく向くと、目頭からは一筋の涙が流れた。
すると案内をしない案内係はニヤリと初めて笑って見せて、
『新しい世界を創るのはいかがでしょうか』
「世界を創る...?そんなこと出来るのか」
『もちろんですとも、前の御主人様も私にそう問いました。私は嬉しいです!』
案内をしない案内係はまるで、かかっていた呪いが解けたように今までとは違く、口を滑らかに滑らせる。
驚いたような顔で案内係に目を合わせる。
すると、僕の方へ手を伸ばし笑顔でこういう...
『さあ、一緒に楽しい楽しいお伽話を創りましょう!次の御主人様!!』
異界ニテ御伽ノ物語-流星の海- 鷹乃 みぃ。 @takanoo
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