第1010話「女の子だって意識なんてしたら」

「すまない……」


「い、いえ……」


 か細い声が辛うじて聞こえる。

 手にはふさふさの髪の毛のせいで人肌の感覚などまるでない。

 本当に人を抱えているのか不安になるほどである。


「また、変なこと考えていたんでしょ!?」


「邪なことなんて考えてはいない」


「女の子を抱えていると思ってないんじゃないかなって思ったけど、まさかそんなデリカシーのかけらもないこと考えていないよね。まさかねー」


「なっ!! そんなわけないだろっ!!」


 意識すると気恥ずかしくなってしまう。

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