第1011話「悲しみの向こう側へ」

「かわいい女の子に囲まれているからって、それはないよね?」


「自分でいうかよ……」


「違うの?」


「ち、違わないけどさ」


「聞こえないよ。もっと大きな声で言ってくれないとね。そうでしょ、ルナ」


「……」


 ルナは聞こえているのは反応を見ればわかる。

 だからと言って今はそれ以上に踏み込んではなしを広げるのは無粋だと、そう思った。

 わかっていて言葉を紡ぐ自分を許してほしい。


「ルナ、大丈夫………でなくてもいい。俺も今は弱い。俺の弱さが仲間を殺したんだ。それがたまたまルナの目の前で起きたっていうそれだけの話だ」


「それでも、それでもボクがディアナを巻き込まなければこんなことには!!」


「違う。何も変わりはしない。だってそうだろ? 一人で行かせていたら、失っていたのは……」


「アマト!!」


 

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