第873話「危うい命」

 床にあおむけに倒れている少女は微動だにしない。

 駆け寄って抱きかかえるがぐったりとしていて、心配はすでに停止している。

 心臓が動いていないのだから、もうすでに生きていないといえる。


 俺は自分が死んだ人間を生き返らせることが溺愛ことを知っている。

 だが、諦めらめきれなかった。

 そう、元の世界であればおそらく手の施しようもなくあきらめていただろう。


 とっさにとった行動が自分の魔力を瞬間的に流すことだった。

 そこからは人工呼吸、心臓マッサージと思いつく手は尽くしたが、もともと弱り切ってしまった状態では無意味であった。  

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