第872話『彼女を連れて戻ってくるぞ!!』

 この茶番はなんだと言ってやりたくなる。 

 最初から俺に選択肢などなかったのだから、思い、悩んでいたことさえばかばかしく思えてくる。

 ここで食って掛かことは簡単であるが、すでにレールに乗って進みだしてしまっている、


 どこまでもこの世界は俺をどん底へと引きずり込もうとしてくるわけである。

 誰かが望んだことを叶えるのは誰かであって俺の仕事ではない。

 そのはずが、偶然なのか必然なのか収束する先に俺がいる。


 エレベータを何度か行きしたさきに厳重に隔離された部屋があった。

 映像では他の奴隷たちとは同じ作りの同じ管理体制で、生活していると思っていたがそうではない。

 ここは彼女のためだけに用意された部屋だ。


「ここから先はあなた様にお任せすることになります。奴隷との主従契約の仕方は首輪にあなた様の血を注ぎ契約を実行するといってください。準備はできています」


「彼女を連れて戻ってくるぞ!!」

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