第649話「買い物前夜」
「確かにそうだな……。それなら、明日の話でもしようか。ルナは福は買わないおいけないよな。他にほしいものはあるか?」
「アマトの外套があればそれでいいけど」
「服もいらないと申しますか……。まあ、金で買えるものが全てではないしな」
「可愛い小物がほしいけど、荷物になると困るし過酷な旅には耐えられないかな」
「意外と、買い物をするのも難しいな。そう考えると、俺達の装備はこの度になくてはならない必需品ってことか……。買い物……どうするよ」
「情報を集めることが主なのですから、それほど深く考えなくてもいいのではないかしら。良い物が見つかったら決めれば良いわけですし」
「ミャーはアーニャのおさがりでいいにゃ」
「何もやらないけどな」
「みゃみゃみゃ」
「ダーリンは知っているかわからないけど、何もお金で買えるのはものだけじゃないんだよ」
「……」
わかっている。
俺のいた世界、銃も、剣も売買されていなかったがペットという名の命の売買はされていた。
食用ではなく人間側のみの意思によって扱われていた。
法律上もものとしてあつかわれていた。
それがこの世界でもあるというのは理解していた。
しかし、ペットを連れて旅をするというのも些か腑に落ちない。
そんな余裕もないのだが、ルナは俺が癒しでも求めているように見えたのだろうか。
いずれ、移動手段に馬の一頭でもいてくれればとは思うが、敢えて言うのだから気まぐれで言ったわけではないだろう。
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