第449話「考えあぐねた先に」

 今こうやって休息をとることが果たして、身体的に意味を成すのか。

 少なくとも精神的に休んでいるという実感が持てていればそれが、心身に影響をもたらすと信じている。

 そうでなくとも考える時間がほしい。


 自分よりも巨大なモンスターが圧倒的なスピードで駆け抜けるのだから、笑えない。

 時間が体重の4分の1乗に比例するなんてことは昔から言われてきたが、確実にこちらの動きを把握し対応してくるやつらには異なった概念があることは明らかである。

 寧ろ、巨大なモンスターの方が構成する質量に含まれる何らかの物質が能力で上回っても不思議ではない。


 それについては何もおかしなことなど無い。

 高速で飛び回る蠅が法則道理であれば人間がどうあがいても捕らえることなどできようはずもないはずが、あっさり捕まえることができたり闇雲に手を振って叩き落とすことなど出来ない。


 結局は時間の感覚など人間が勝手に推測したに過ぎず、すべて等しく時間が流れているのだ。

 違うのは対象でありそれを観測する者のみである。

 故に人猿は俺達に敗れた。


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