第444話「スリップに気を付けろ」
僅かな迷い。
怒りを覚えたその動きは単調なしぐさでさえもより不確かなものへと帰化する。
至って単純。
結末は簡素であって何の面白みもない。
命の取り合いで相手に同情することも、躊躇することもなければそこにあるのは結果だけである。
盛大に頭から地面に叩きつけられた人猿を見下ろし、間髪入れることなく振り下ろした刀が人猿の頭を別つ。
挑発に乗ると踏んで目の前に微弱な風の罠を仕掛けただけでこのありさまだ。
風は埃を巻き上げなければ視認されにくいのだから、警戒が怠った者であれば人間でも回避は難しい。
まして、挑発されて飛んでくる輩なら躱せる道理がなくとも何も不思議ではない。
それだけなのだ。
至ってシンプル、転んだだけであの世逝きなのだから笑えもしない。
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