第419話「生と死の象徴」

 目の前の存在はまさしく生と死の象徴ともいうべき者。

 これまでの短い間にこの世の者とは思えないほど偉大な存在を見た来たが、その誰でもない圧倒的なオーラを感じた。

 無論、これまでの誰しもがその片鱗こそは見せたものの全貌は見せてはこなかった。


 しかし、この神生物はこの空間においては包み隠すことなく威厳を放っていた。

 すべての力が放出されているかというと恐らくそうではないという事はわかっているものの、俺たちに決定権などないことを知らしめることにおいては正しいと言わざる負えない。

  

「確かにお前の言う通りだ。我はお前の名を知らない。だが、それは些細なことだ。もう数万年この地に住んでおるが、お前たちのような生物はここに来たことがない。理由など容易に想像がつくだろう?」


「断る選択肢が無い? 冗談だろ。場合によってはこちらの命にかかわる以上、まずは内容を聞かせてもらう。それからお前って言うのは釈に触るんだよ。神だろうが、王様だろうが個人として見れないような奴は交渉相手としては認められないな。ズィファル」


「我も言葉を交えたのは数万年以来なのだ。これからは長い付き合いになるのだから容赦願う。すまなかったな。改めて聞かせてもらおう名は何と言う?」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る