第415話「山は甘くはない」

 一足先に登りきったスペラ達はそのまま東に向かって進んでいる。

 この湖を突っ切れば北へは最も近い距離であるのは間違いがない。

 しかし、見通せない以上万が一地面が割れていない場所があるならば近道である。


 それを確かめるまでもなく湖を泳いで渡る選択肢などあるはずはない。

 何故なら、湖に向かっては断崖絶壁である。

 草木こそ生い茂ってはいるものの安全に下りることは困難のはずだ。


 少なくとも安っぽいアウトドア知識や登山家では生きては帰ってこれない。

 危険生物も蔓延るというのなら、これは命を懸けてなお余剰に対価が必要である。

  


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る