第394話「夢枕」

 俺は伸びてきた腕が振れる瞬間に掴む。

 そこで現実という夢があぶくとなって消、真実という名の夢へと再び引き込む。


「痛いかな」


「すまない」

  

「謝らないで」


「ふっ……。いつもありがとう」


「どういたしまして」


「必ず、元の世界に帰す。必ず俺がユイナを守る」


「かっこいい台詞だけど、しまらないね。これじゃ」


 美少女に膝枕をされていては締まらない

 いつの間にか眠っていたとしても目を覚ませすまで気がつかなかったというのも、なんとも奇妙な話だと思うのだが現実っていうのはいつだって奇天烈なものなのだ。




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