第359話「完璧さ故に」

「にゃはは。アーニャにいいところみせてミャーが一番頼りになるってところをみせてやるにゃ」


 スペラは息巻くと足に纏った魔法によって青白い稲妻と形容できるほどまばゆい光を放っていた。

 周囲はもうすでに暗闇によって星明りが照らされていなければ、伸ばした手すら見えないというのに猫耳少女の周り一帯はその限りではなかった。


「獲物はどこかにゃ……どこかにゃ」


 少女の瞳は暗闇でも光り輝き稲妻を纏っていなくとも存在感が映える。

 無論、完全な暗闇ではなければスペラにとっては昼間も同じ、とまでは言わないが不利になることは何一つない。

 そもそも光量によって見え方が変わるのだからしっかりと昼夜の区別はついている。


 スペラは案の定ディアナの結界の外の得物へと躊躇なく踏み出した。

 結界の内側では獲物となるモンスターがいなかったのも結界の信頼性の高さがうかがえた。

 そのが仇となったともいえるのだが、それを止める者はここにはいなかったのだ。

 

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