第235話「新たな一歩」
「聞いてもいい?」
「本来、交わることのない世界。だが、今こうして俺達はここにいる。それを二つの終わりのないことを意味する無限記号を組み合わせることで表した。そして……」
「それ以上は……」
ユイナが俺を止める。
わかっている。俺たちが元の世界い戻るという事はそれは別れを意味するのだから。
俺だって、短い間とはいえ死地を共に過ごしているのだから何も思わないこともない。
それでも、やはり元いた世界に少なからず未練がある。
口に出せば決意はより固くなると安易に思っていたが、この胸のざわつきは何なのだ。
俺はこの世界にも愛着のようなものを感じつつあるって事なのだろうか。
「これが私たちの旗印になるのですね」
「なんだかよくわからないけど、覚えやすくていいにゃ」
「理に干渉するっていうならこれ以上ない印じゃないかな。やっぱりおもしろいね、飽きないなぁ」
誰一人として異を唱える者はいなかった。
わかってはいたが、すんなり決まって良かった。
そして、これがパーティーとしての新たな一歩になる。
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