第183話「敵は増えるばかり」
下半身がなくなってしまった人間を前にルナは冷静であった。
本来あったはずの半身は異空間に置き去りになってしまったというのをルナは理解した。
アマトが異世界からこの世界へと召喚されたように、この世界とは別の世界が無限に存在している。
それが隣り合った身近な物なのか、はたまた魔法などない遠い世界なのかはわからないが確かに存在するのだ。
何者かの強力な力が大地を割り、空間を引き裂きそれに巻き込まれたのがこの男だ。
正体はこの時点では知ることは出来ないが、のちに強大な組織に属した人間だと知ることになる。
それも、これまでに出会ったどの組織にも属していない新たな敵となることなど知る由もなかった。
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