第184話「時計の針」
天使のような真白な翼の悪魔の少女が一人の青年を抱きかかえている光景は、天に召される束の間の一刻であるかのようにそこは切り取られた世界だった。
表現のたとえなどではない。
時空を切り裂きコンマ数秒の刹那、世界は遅れてやってくる。
その百万分の一時を経験したものはまた一つ周囲とは足並みが合わなくなる。
そのずれはしだいに大きくなっていく。時計の針を進めたり遅くしたりしたことはないだろうか。
わずかなずれも次第に大きくなるが、遅れだす瞬間を認識することは難しい。
そう、時計の針は次第にすれていくのだ、
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